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cott Review -場所・製品・建築- Archive
OGO Lily
- 2014-08-27 (水)
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8月といえば、淡河町の名産、テッポウゆり。
事務所に飾ったゆりが開化しました。
飾ったと言ってもそのまま生けただけ、
しかも先日の大雨で駄目になったからと頂いた物ですが、
それでも立派に咲いています。
皆様を地域の名産でお迎えしています。
地元民からすると玄関で人を迎える日常の花だけれど
すっと天を仰ぐ肉厚で大きな純白の花弁が持つ品格は
物が多くて狭いうちの事務所には不釣り合いかなと少し畏れ多くなるほど。
美しすぎて、本当に駄目になったものなのかと疑っています。
特にブライダルには抜群だと思う。
今度は狭い空間にもよく合うアレンジに挑戦してみたい。
140829 追記
今日は都合よくブライダル系のスタジオポートレート撮影が入り、大活躍。待ち時間に一枚↓
(撮影はともかく、飾る際は少し花が開いたときにおしべをとってあげましょう。)
http://www.ogo-flower.com/
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おさんぽ
- 2014-07-31 (木)
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同じ淡河町にベーグル屋さんのはなとねさんがオープン。
思いつきでふらっとバスで伺って、帰りのバスが数時間ない時間帯だったとしても、
のんびり過ごしていたら、バスが来るのもあっと言う間に感じることでしょう。
それぐらい懐の広い空間がうまく生きて、皆様に感じてもらいたい農村の気持ち良さ、美しさ、そしておいしさを存分に味わえる場所になっていました。何代も受け継がれて来た古民家です。
ものすごく勉強熱心なご主人なので、どんどん進化していくメニューも、楽しみ!
当面は土日営業のみだそうです!詳しくは、ウェブサイトを要チェック!
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A Pencil 2
- 2013-08-19 (月)
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前回の記事について、神戸のデザイン仲間がもうすでに持てない鉛筆がモテる鉛筆にかわるアイデアを実現していたのでちょこっとご紹介。たまーに、イベント販売されてるそうです。
Tie-p
Tie-p(タイプ)とは、
北井沙希と中野真希が主体のものづくり集団です。
革やビーズでつくった心ときめくアクセサリーや、
ひらめきをかたちにした色とりどりのアクセサリー、
素材を活かしたブローチなどを手づくりしています。
きっと楽しんでいただけると思いますのでぜひ遊びにいらしてください^^
Tie-p Facebookページ: https://www.facebook.com/Tie8p
次回出店予定
【神戸クラフツアーケードvol.5】
開催日 / 2013年11月10日(日)
時間 / 11:00–18:00
開催地 / 元町4・5・6丁目商店街
神戸クラフツアーケード公式ホームページ: http://kobe-crafts.com/
フェイスブック: https://www.facebook.com/KobeCrafts
ツイッター: http://twitter.com/KobeCrafts
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集落探訪記録1
- 2011-05-10 (火)
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ストロード(Straw Load)を辿る旅
– 草のルーツを求めて –
Laos, 2006.08, YASUFUKU Yusuke
Comment: かつて集落系の研究室に在籍していた頃の自主フィールドワークではあるが、茅葺き屋根に関わることが多くなった今、調査の意味を再認識し、その概要のみをここに印しておく。ラオスの農村部を巡り、住居の造りからその地域の文化コードを探った。
建築様式
生活様式が類似しているためか、比較的造りが簡素でデザインコードは日本に類似している。かつての日本の原風景を垣間見た。
・様式は切り妻の茅葺き屋根が多い。
・茅葺き屋根の棟おさめが類似(日本では使われない偶数のものも多い。)
・網代天井ならぬ網代壁や網代床が見られた。
・高床式の住居も多く見られる。
比較的発達した町では安価な工業製品が多く使われる(下写真 / 外壁を塗り直して大きな開口部をつければかなりモダンに仕上がる可能性を感じた建物)
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篠山探訪
- 2010-12-29 (水)
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遡ることふた月以上。
篠山で庭師をされているお方の古民家にお邪魔させていただきました。
篠山は全国にも誇れる左官技術で有名な土の文化があります。
荒壁仕上げの大きな壁面や、自由曲面の風呂など、そのお宅の空間にも感動したのですが、今日は別の話題を。
さて、このピンクの玉なんですが通称、泥団子といって、土からできた光沢のある玉です。
一目したところちょっとしたガラス玉のようにも見まごうほどの重量感と艶。とても土からできたものだとは思えません。
左官を身近に感じてもらおうと、大津磨きという左官最高峰の伝統技術を応用して作られたもので、最近ではワークショップが各地で開催されています。
詳しい作り方などの説明は以下リンクにおまかせしておいて、
光る泥だんご(ハマニ株式会社)
ピカピカ土団子(スズキ土建)
篠山氏左官技術研究会の会長から素敵な話を伺えたので、その断片をいいトコどりでご紹介。
泥団子はしばらく経ったら艶が沈んでくる。
せやけど後からまた磨けば光るんや。
何でも一緒。家でも嫁はんでも一緒や。手入れしたらなどんなええ家建てても嫁もろても意味あれへん。
そうやって愛着が湧いていく。その愛着がもっといい家にしていい心を育むのですね。
自分の国の文化財ぐらい自分の国の職人だけで守れへんでどうすんねん
本当にごもっとも。伊勢の式年遷宮の時期ですが、いくらグローバル化の時代だからといって日本の魂である建築を海外の職人に手伝ってもらうというのは少し寂しい気がしますね。
近頃は高気密高断熱はやっとるけどそんなもんあかん。
やっぱり空気は循環せな。
それにはやっぱり貼りもんやのうて生きた材料使わな。高い金はろて病気になる家建ててどないすんねん。
まぁわしの家はクロスやってんけどな。笑
バブルの頃に建てたんやけどその頃はほんま忙しいて自分の家の壁なんかする間なんかあれへんかったわ。耐震の問題かてそうや。
わしらいっつも設計士に言うんは5寸の柱してくれ言うねん。
かべも貫いれてしっかり竹小舞して塗ったらもつがな。
伝統的なもんはほんまにようできとるで。
建て売りの業者から左官壁にしてくれとか言うて電話かかってきてんけど初めに言うたるねん。
高いでってな。
左官がどんな手順でやるんかを知らへんからよう見たらほんまとんでもない見積もり出しよる。建て売りとか基礎のモルタルぐらいしか左官の出番ないしな。
せやから今の職人で漆喰すら塗ったことないやつもぎょうさんおるでな。
職人は扱いにくいで。大概自分が正しい思て聞かへんからのう。
技術もないもんがいらんプライドなんかもたんでええねん。
他にも作業をしながら快く、しがない若い設計士の話に付き合って下さるどこまでもおおらかで謙虚な心意気に感動しました。ベテランになったときにそうあることができるって本当にすごいことだと思います。ライブ感を大切にされる姿はもはやアーティスト!
久住章氏などをゲストに迎え、定期的に伝統技術を伝えて行くための講習を開いておられるみたいなので、またタイミングが合えば参加させてもらおうと思います。
ちなみに、泥団子を磨く行程で使う瓶はなぜか小山ロールのプリンの瓶が一番良いそうです。
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stay tuned
- 2010-06-28 (月)
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今日はちょっとした電子機器礼讃。
2010年3月15日よりウェブブラウザでラジオを聴けるサービス「radiko」の試験配信がスタートした。ノイズも全く気になるレベルではなく、快適。今のところ、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県限定だそうだが、配信局もエリアも拡大してくれればうれしい。ラジオのメディアとしての力が見直されそうだ。
日本では白黒テレビよりも約30年前、1924年頃に登場した音の出るメディアの起源であり、情報技術の起源。洗濯機、冷蔵庫、蓄音機よりも前に登場し、現在の東芝より発表された当時は革命に近い出来事だったのではと思う。戦時にはさぞ活躍したことだろう。ラジオを聞く習慣がない人も、興味があればぜひ聞いてみてほしい。
昔からラジオが好きで、雑音と格闘しながらチューニングを必死に合わせて夜更かしをして聞いていたのが懐かしい。学校で話題にのぼるのはめっきり流行の音楽やファッション、芸能人などテレビベースの話で、ラジオは一切話題にされない。
誰にも邪魔されない。ささやかなひとりの時間。
家でこっそり聞きながら、空想にふけった。
好きな音楽がかかりそうな瞬間を見計らって録音ボタンを押して、テープやMDで繰り返し聞いた。
どうしても聞けない時間の番組は、予約をして通学中に聞いた。
友人といつものお決まりの場所に隠れてタバコを吸っていた昼休みでもなく、
ちょっと背伸びをして原付を乗り回して徹夜麻雀に向かっていた夜でもなく、
アルバイトに精を出していた放課後でもなく、
私にとってはそんなゆったりとした時間が
たとえば尾崎豊で言う「自由になれた気がした十五の夜」だったのかもしれない。
大学に入り、一人暮らしをはじめてから家にいる時間が少なくなり、いつの間にか聞かなくなった。
家にいない4年間のうちに音楽プレーヤーも進化し、mp3プレーヤーで好きな音楽を好きな順番に並べて聞くようになって、ラジオを再生するオーディオ機器は倉庫へお蔵入り。さらにラジオからは離れていた。
mp3プレーヤーでは当然のことながら自分の持ってない曲でいい曲は知り得ない。そんな閉鎖性が好きでなかった。
そんなときの朗報。インターネットでいつも聞いていた局のラジオが聞ける。
かなり嬉しい出来事だった。
そんな青春時代に聞いたものは今の自分を形成する一部になってるのだろうかなんて思いながら
坂本教授の渋い声と音楽を耳のお供にデスクに向かう、蒸し暑い夜。
口でなく背中で語るために。
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人々に愛されるまち
- 2010-05-31 (月)
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しばらく前に訪れた尾道。
好きな街のひとつ。
海と丘に生まれた風土ゆえだからだろうか。
行けば瀬戸内海に浮かんでいる島のひとつのようで、実は本州にあって。
国鉄の高架をくぐればそこはすぐに上り坂。
実際はそうではなかったとは思うが、たとえば国鉄ができたからといって「できたらしいよー」「へぇ~そーなんじゃー」という程度なものと感じるほどにおおらかなまちの表情を感じた。それはあくまでも主観で、訪れたその当時の心情を少なからず反映しているのかもしれないが。
しかし客観的に見てもおおらかに変化を受け入れながら空家の活用など先駆的な試みも行われつつ、独自のものも愛されて残っているのだろうなと憶測できるような残り方をしているものが多くあった。
開けているような、閉じているような。
建築のでき方と斜面の関係もおもしろい。
何かにつまづいたり、どうしようもないほどの空虚な気持ちになったときなどにふらっと立ち寄るのがオススメである。その街のおおらかさがじんわりと心のわだかまりを溶かしてくれると思う。
猫をおいかけて路地に迷い込みたい、と思わせてくれる街である。
きっと好きな人も多いのではなかろうか。
愛されるものはきまって美しい。
なぜ今さらかというと、このまちにご縁があったから、とでもいっておこうか。
またふらっと遊びにいけたらと思う。
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試写
- 2010-05-11 (火)
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新しいレンズが届いたので早速ためし撮り。
被写体になるのはもちろんこの娘。
PENTAX K-7, 1/13, F6.3, 250mm, ISO400, AF.S, TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (Model A18)
これだけ広範囲の写真がとれ、しかもコンパクト。明るさはPENTAX自慢のボディ内臓手ぶれ軽減機能でカバーしようか。ずっしりした重さも気合が入って逆に良し。描写力は単焦点には及ばずとも、十分。ロックも慣れれば気にならなさそう。DA 18-55㎜さんはしばらくお休みかもしれない。
旅カメラとして、十分に力を発揮してくれそうな予感。晴天時には手を引っ張って外へ連れ出してくれるレンズになるだろう。
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玉置家住宅へ
- 2010-02-20 (土)
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お隣の三木市は玉置家住宅にて淡河のアート書家の中西賀子さんがライブアートならぬライブ書道をされるということで行ってきました。
先生、さすがです。
洗練された古民家の中に先進的な感覚による書が仕上がって浮かび上がる白の文字は軒、縁側、障子と格子から生み出される陰を照らす。
『朴を抱いて真を含む』
勝海舟が書いたとされる書に記されていた文字「抱朴含真」で、素朴さの中に真(まこと)があるという意味だそうです。幕末、維新の時代と現代が繋がった瞬間でした。
また、建築にも感動しました。
古民家の中に現代的な意匠が多くちりばめられ、なまこ壁、網代天井。大津磨きなどの所謂職人芸も当然のように使われる。細部まで徹底的にこだわり抜かれていました。(少し手抜き部分を発見してしまいましたが。笑)特にLOUIS VUITTONのモノグラムに勝る意匠と職人技術はもはや芸術品の域でした。
作り手の志気が伝わるものづくり、見習わせていただきます。
ここで展示会してみたいなんて思います。
細かい写真は載せないので、ぜひ空間を体感しに行ってみては?淡河から車で約20分。身近な所にたくさんの発見が落ちています。金物の町、三木へようこそ!職人の技が光る金物がほしくなってしまい、ナイフを購入したので愛用していこうと思います。
詳しくは、三木市観光振興課のページよりどうぞ。
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淡路ひとめぐり
- 2008-12-26 (金)
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いろんな方にお会いしに淡路島をひとまわり。
まず訪れたのが、淡路島で「島じかん」というイベントを中心になってされている平松さんのおられる会社の事務所。島じかんとは、淡路島の生活と密接 に関わる土の文化を新たなカタチで発信していくという趣旨で、陶芸家さんから鬼師、左官職人さんから書道家さんなど、その地で活躍される方々を集めて9月 に10daysで行われたイベントです。
来年はまたされるのかはまだわからないということでしたが、是非とも絡ませていただきたいです。
「淡路島の暮らしと密接にかかわっている土をテーマに、その土に生きる人たちの魅力、その人たちから生まれるモノの力強さ、おもしろさ、その周辺に 流れる時間まで感じて頂けたらと思います。
あなたに流れる時間と彼らに流れる時間は同じでしょうか?
淡路島には昔から自然にあるものと共に暮らしてきた時間があります。
それはゆっくりだけど、確実に流れ続ける力強さ、豊かさがあります。
あなたにはどんな時間が流れていますか?」
淡路 島じかん http://simajikan.exblog.jp/
今回一緒に回った友人も実は「しまじかん」というイベントをされていて、おもしろい方です。
来月の、「しまじかん」は、東京ですが、2009年1月18日(日)に、三軒茶屋のOHANAにて。
Island Concierge http://ameblo.jp/island-concierge/
次に訪れたのが久住章さんと早稲田大学の大学生数人で制作されたのゲストハウスで、日本では、これ以上心動かされた建築はないといっていいぐらいい い建築で、私の原点でもあります。
細い線材や破片による細かな雑作や細かなアイデアたちが存分にちりばめられたやさしい建築です。建築家にはなかなか出せないこの雰囲気。心地よさ。 断熱性や気密性、採光など、居住性能と形状をうまく解くために細かな工業製品を組み合わせて生み出す所謂建築家のディテールなんかは全く気にならないブリ コラージュと建築的思考の狭間にある感じ。
ラスが見えていたって、壁がはがれていたって、隙間があっても、下地がそのままであっても、接着剤の乾いた跡、ステープルや釘や配線が見えていたっ て、言ってしまうのならそんなことはどうでもいい。
今設計に関わらせていただいている姫路の住宅でもそう思うことができるそれ以上の何かを生み出したいと思いました。
ほとんど淡路にはおられないそうですが、たまたま久住有生さんにもお会いすることができて、お話をお伺いすることができました。Team ZOO 虎設計工房の山原さんも、ありがとうございました。
その次は陶芸家をされている西村さんの樂久登窯へ。
土を扱われているというだけあって、ご自身で施工されているキャラリーの壁面もかなり綺麗に塗られていました。その地に有るもので生活に関わるもの を生み出すすばらしさ。
古いかたちにこだわらずその場所にあるもので新たな文化を育み続けること。
土についてもっと知りたくなりました。
こうやってされている方とお会いすると、身の回りについてなんて自分は知らないのだろうかと打ちのめされます。
次は新しくできた窯で焼いたピザをごちそうになりたいですね。笑
建築はもちろん、グラフィックやウェブも、場所そして人と密接な関係をもつデザインはできまいか。そんなことを思いました。
次は、全く違った趣旨で訪れましたが、知る人ぞ知る名建築
故丹下健三さんが設計された戦没学徒記念館です。
丹下さんは代々木の体育館やフジテレビで有名な、日本が誇る世界の大巨匠建築家です。
この建物はもうしばらく前から使われておらず、震災でガラスは割れ,石畳はがたがたで、建築作品というよりもむしろいわゆる廃墟として有名かもしれ ません。
3〜4年程度前に一度訪れたときよりも心なしか、若干きれいになっていた気がしましたが。
巨大な石のボリュームとレベルの異なるスラブが混在するヴォールト屋根。天を指す象徴的なシェル構造のモニュメントと献花台。そこにそのかたちであ るべくして建てられたと言わんばかりに場所のもつ力が最大限に生かされた人工建造物の美しさ。その美しさにさらに付加された霊的な美しさ。それに加え、退 廃して環境になじみ淘汰されようとしている美しさ。
丹下さんの建築をたくさん見たわけではないのですが、氏の建築の中で最も素晴らしいものではないかと思います。
屋上から瀬戸内海の絶景が360度パノラマで広がります。
展示品は寄贈されたようでほとんど置かれてはいませんが、戦没学徒の空気は健在でした。戦没学徒について私の稚拙な文章ではお伝えできるか危ういの で詳しいことはここでは述べませんが、お調べいただくか、可能ならば実際に足を運んで頂きたいと思います。
こちらはご参考までに。
若人の広場復興委員会
http://www.tyo-t.co.jp/wakoudo/index.html
同じく退廃した近所の宿泊施設に置いてあった旅日記ノートの時は、昭和59年で止まっていました。
安藤忠雄さんの建築や石山修さんの建築は既に見たことがあるので今回は訪れませんでしたが、淡路島にはさらに素晴らしい20世紀最高峰の建築群が人 々の生活とともにありました。今回ご紹介させて頂いた2つの建築は、全く対照的なほど建築的であるものと土着的なものではありますが、安藤さんの夢舞台や お寺なんかよりも見るべき名作だと思います。
平松さんから山原さん、久住さん、西村さんへどんどん繋がっていく感覚が最高におもしろく、もしかしたら淡路島に呼ばれているのかもしれません。他 に出会った方達も素敵な方ばかりでした。またきっとこの島を訪れることでしょう。
ネットワークを作り出しつつ、情報におどらされず上手に取捨選択しながら
芯を見据えてその地に生きること
場所を愛することとはそこにいる人を愛し、そこにいる人が育む環境を愛すること
過ごしたい場所
過ごしたい時間
過ごしたい人
もう少し考える必要がありそうです。
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糸
- 2008-11-03 (月)
- cott Review -場所・製品・建築-
京丹後に最近できたツリーハウスに行ってきました
日本でもっとも有名なツリーハウスに関する組織、小林崇さんの主宰するツリーハウスクリエーションという組織が制作したもので、北海道から沖縄まで、日本各地に建てられています。
この想像力もすごいですが、こういうことが認められて、これをさせてもらえるということがもっとすごいなぁと。
建築家として見るならば、居住空間として気になるところばかりですがそれ以上の雰囲気というかパワーというか
そういった類のものを感じます
コストがかかりすぎるため建築家にはできない造作の数々。
基礎がない木の上にあるツリーハウス(または水上住居)でなければできない構造形式。
やさしい曲線。木の手触り。
ここからは個人的な話ではあるが、
もっと素人に解放された空間を考えたいと思う
誰でもやればできるんだと。
漠然と夢を与えるのもいいけれど
もう少し具体的で現実的なところの夢を与えたいなと思うわけです。
人間的エネルギーを解放させるようなことがしたい。
ディズニーランドで夢見てまた頑張ろうという気分にさせるのもいいが、
それよりももっと本質的なものを感じてほしい。
何かを生み出す自分の力を見つめてほしい。
消費することでのみ成り立つ生活というものをもう一度見直すべきでないか。
おそらく自分の中でやろうとしていることは、もう少し居住空間に近く、実用性のあるものなのだろうなとは思いました。余暇を消費する空間でなく、い つも過ごす空間だなあと。
ふわふわと
飛行機という自分たちの理解のおよばない機械に乗せられて
降りたらもう全く違う風景が広がる
そのことに何の疑問もなく足早に日本の異常なほどスムーズな税関を通るのではなくて
自分たちの手と頭を使ってかみくだいたもので
等身大に
裸足でもいいから地に足着けて歩みたい
エコ活動を単なる余暇活動にしてしまわないよう。
エコだエコだとは言うけれど
何よりもみんなが夜日が沈んで寝て朝太陽と共に起きるのが一番エコである。
個人の地球環境に対する心がけは効果を示すと思うし、エコ活動はかなり推奨するが、
個人レベルでなく社会全体レベルから見れば、エコ活動は自ら問題をつくりだしてその作り出した問題を解決して勝手にいい気になっているという滑稽な 構図が浮かび上がる。
みんなが自然の恵みにあるものを利用して自然と共に自然に生きる
そんなシンプルな話だけれども現代ではもはやそういうわけにもいかない。
現代はたいへん複雑に様々な糸がからまりすぎである。
その複雑に絡まり合った糸をちょきんと切ることは麻生首相だって不可能である
私はcottの活動を通して、理想論をたずさえながら現実と対峙し、少しずつそんな糸たちをほどいていければと思う。
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シンガポール雑記
- 2006-09-24 (日)
- cott Review -場所・製品・建築-
今はシンガポールの図書館。気持ち悪いぐらい快適。
シンガポール。人は優しくマナーが良い。
街全体は綺麗に整備され、住宅、静かで快適な鉄道、バス、町中にはプール、テニスコート、競技場、バスケットコート、他、余暇を十分に消化することのできる施設が街の至る所に存在する。
また、さまざまな人種、宗教が混在する。
治安も比較的良い。
ここは、東洋、いや西洋が求めた楽園なのか。
しかし私はなぜか、まるで巨人が作った模型の中で人間達がままごとをさせられているように感じた。人々は快適な裕福な生活を、このマレー半島の先端に位置するこの島で得た。しかしどうもしっくりこない。
タイやラオス、カンボジアの田舎の方の本当意味でのの自然と共にある生活の方が、物の豊かさではなくて生活の豊かさという観点では勝っているように感じた。同じく島国である日本とも似ているが、やはり違う。その違いはどこからくる?
思うに、ひとつは島の大きさ。
ひとつは、宗教、人種の混在。
日本はすべてが近代都市風ではない。広いから、まだ田舎の方ではまた違った生活がある。しかし、シンガポールは淡路島程の大きさであり、多くの移民がそこにやってくる。その島は一つの国として独立し、島中が発達する。近代化の波はシンガポールという一つの小さな島国を覆い尽くした。
そしてこれほど様々な宗教、民族が混在している国もなかなか類をみることもできないだろう。他にもきっと様々な要因があるのだろうが、いまのところそういう解だ。
シンガポールはマーライオン。近年は、近代建築もおもしろいものが建っている。だがそれだけ?
マーライオンの前で、思い思いのポーズでただポートレート写真だけを撮っていく人々。撮って、ぷらっとして、はいさよなら。(その様子がとても滑稽で、そういったところに着眼した写真集も2007年に瀧本幹也SITESEEINGというタイトルで発売。有名写真家にしては着眼がありきたりであまり面白いものではないが。梅佳代的ユーモアもなければ、ページを繰るごとのドキドキもあまりない。)
これが観光地というものだろうか。巨人達の模型の中でうごめく人々。
人々は決められたルートを歩き、目玉とされるものたちを満喫したらはい、さよなら。
皆ハードの面を求め、ソフトの面などには気にも留めない。
先進国のにおいを持った、ただの観光客ばかりだった。
私にはシンガポールの石畳の照り返しはまぶしすぎた。
マーライオンが、水を吐き続けている仕草が空虚に見えた。
要するにシンガポールは今回の旅のテーマとは外れるってことした。各国の情勢に関して自分が無知なだけでした。(シンガポールが嫌いという意味では書いていないのでご容赦を。)
でもまぁ、ついにこの旅も終わりです。今夜の24時15分の便で北京を経由して日本へ向かいます。
旅の軌跡
日本→北京→バンコク→チェンマイ→パーイ→チェンコーン→フェイサイ→名も無き街→ルアンパバーン→バンビエン→ビエンチャン→フエ→ホイアン →ニャチャン→ホーチミン→プノンペン→シェムリアップ→バンコク→アユタヤをミスってサラブリって田舎→バンコク→バタワース→ペナン→クアラルンプール→マラッカ→ジョホールバル→シンガポール。
動きました。我ながら。
どこがよかったかというありきたりな質問に素直に答えるならば、ラオスとタイの北部の田舎ももちろん良かったのだが意外にもカンボジアが一番良かった。
近隣諸国の中では最も貧しい国で、つい最近(30年ぐらい前?)まで内戦があって、暗い歴史、明るさを取り戻しつつある現在。現在も残る地雷が生々しくその事実を物語る。
その一方で人が結構良くて、(もちろんマネーマネーもあるけど)子供たちが素直でかわいらしく、バイクタクシーの親父も気さく。田舎の方は自然とともにある人々の暮らしぶりがものすごく美しい。
そのギャップに非常に感じることが多かったのがカンボジアという国だった。
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