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2012-05

June

この時期、田んぼに水が張りだす。
そっけない街灯の光がゆらゆらと水面に映る。
闇の中にこだまするカエルの声をBGMに、車の窓を全開にして、すこし湿気を含んだ初夏のかぜを受ける。
おまけに上を見上げれば煌めく光の粒。

深夜に疲れて帰宅したときに感じるそのひとときに、今日いちばんの安堵を感じる。
昨日はさらにホタルまで出迎えてくれた。今年初観測。
淡河のホタル
(写真中央下〜右下の光のスジがソレです)

ホタルといえば、蛍雪の功とはよく言ったもの。
白い壁紙の勉強部屋であかあかとした蛍光灯の光で勉強するのでなく、
電気代がもったいなくて、電気をつけさせてくれないほど貧乏でもいいからホタルの光で勉強したい。

苦労は買ってでも…というわけではない。
ほしくないものを与えられたっていらない。
手に入れようがなくてもどうしてもほしいものは自分の手で必ずつかみとる。
戦うのならがけっぷち。
決闘するなら巌流島でないと。

たぶんその状況に興奮しているところもあるのでしょう。
ほら、なんとなくクレーンゲームをやってなかなかとれなくて
持ち前の負けず嫌いを発揮して景品ゲットするまで2000円もかかったときだったり、
それほどほしくなかったものも苦労して手に入れたらなんだかいとおしいような気になるでしょう。
ずっとほしかったって錯覚かもしれないけどそれはそれでいいと思うのだ。

本気で心の底から欲しいものなんて、ほんのひとにぎりだけ。
それをぎゅっと握っていられたらそれでいいのだ。
夕方の駅のホーム
すっかり日が長くなりました。

さあまた明日もがんばろう。

y.y.

obediently

みんな持ってるコンパクトデジタルカメラ。通称コンデジ。
世帯普及率は2012年で75%を超えるそうだ。
今使っているものも長い。3年ぐらいの付き合いだろうか。
夏も近いし、ということで新調してみた。

われわれの職業柄、撮った画像は後でなんとでも加工できるため、
できるだけ特殊なデジタルエフェクトがかけられていない、生のままのデータをこれまで撮ってきた。
エフェクトをかけたものをかける前の状態に戻すのは至難の技なのだ。
だが、折角なので使うことないだろうなと思った
トイカメラモードだったりミニチュアモードも
○○風はきらいだとか、本城直樹さんが消費されているとかぶつくさ言わず、
意外に楽しいものだなと、素直に受け入れてみることにした。
(ひとまず開封後1時間ほど楽しんだ)
cott事務所

実は小さいデジカメはおそらくこれで8代目。
小さいとすぐになくすので小さいのも考えものなのだ。
つまり半数は、なくした。

もう半数は、時代に取り残された。
5年もすれば時代遅れになってしまうので恐ろしい。
カメラ付き携帯にその機能を凌駕されてなくなってしまうかもしれない。

今回のものは水中でも撮影できるので無くす確率が上がるが、
自分がコンデジに求める必要十分な機能が備わっているため小回りがききそうだ。
末永いお付き合いをお願いしたいと思う。
夕焼け

ツムテンカク準備中
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ツムテンカク

yasufuku

Strawberry with U

いちご

ありきたりなはなしだが、
好きな誰かと一緒に食べるものが
いちばんおいしいなぁ。

それが
もらいもので、畑で採れたてを洗わずにそのままだったりすると
もっとおいしいなぁ。

うん。おいしい。

Brushes

筆
今は時代も進んで、パソコンの画面に直接ペンで、書けます。
そのときに使う道具がペンタブレット、通称タブレット、またはペンタブと呼ばれるもの。
鉛筆風の線だったり水彩風の線だったりも筆圧に応じた太さで自由自在。
ほぼ手描きに近い感覚をデジタルで処理できます。
デジタル処理だと一度書いた線の色やかたちを自由に変えられたりして便利なので
cottでも適材適所でお世話になっていたりしますが、
だけどそれでもやっぱりペンタブレットは筆や鉛筆に取って代わり得ないなと思います。

筆を洗いながら今日書いた線について振り返ることだったり
絵の具の粘り気から欲しい絵に必要な粘度にするために必要な水の量を察知する感覚だったり、
それぞれの筆についた絵の具が語る物語だったり、
柄の長さ、細さ。毛の材質、つき方。使う顔料の成分。紙による色の定着具合の違い。

モンドリアンのパソコンではささっと書けてしまうような絵も
あれだけ分厚くキャンバスに塗り重ねられているから意味があるように思うのです。

他のどんな分野でもひとの手に触れる日常空間にアウトプットされるものは、
制作過程においても純粋な身体感覚に基づいたほうが、
消えないモノの近くにいられるように思うのです。

ばあちゃんの味

たまごもち
あまいあまいたまごもち。
香川の祖母がおやつにといつも石油ストーブにアルミホイルをしいて、やいてくれた。
こどもたちはみな大好物。
事務所でたまたまもちをつく機会がありまして、初めて自分の手でつくった。
結果、まさにばあちゃんの味に。大成功。
インターネットに載らない味を受け継いでいくこと。
業や空気や知恵も一緒に、心に火を移すこと。
つばめの巣
つばめが減っているという先日のNHK NEWSをものともせず、
玄関にはうちのよりも上手な巣ぅしょってやと近所の奥様もお褒めの一品が工事中。
ツバメが減少 生息状況を全国調査

展示情報

マチオモイ帖展示風景
クリエイターがひとつのマチを責任編集。
「マチオモイ帖」が東京は六本木のミッドタウンから大阪に舞い戻ってきました。
メビック扇町とMARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店で安福制作による「淡河帖」が展示されています。明日から!
お立ち寄りの方はぜひ。

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メビック扇町特別展
「my home town わたしのマチオモイ帖」

会期
2012年5月11日(金)〜6月10日(日)
会期中無休・入場無料
平日:11:00〜21:00
土日:11:00〜19:00

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5月11日(金)〜6月10日(日)
「わたしのマチオモイ帖文庫」in MARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店

メビック扇町での『my home town~わたしのマチオモイ帖』会期中、梅田・茶屋町の大型書店、MARUZEN & ジュンク堂書店・5F芸術書コーナーに『わたしのマチオモイ帖文庫』が設置されます。全324作品のうち、25冊だけの展示となりますが、マチオモイ帖のエッセンスを感じていただける出張展示です。

MARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店
大阪市北区茶屋町7-20 チャスカ茶屋町(5F 芸術書コーナー)
10:00~22:00 5月・6月無休
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5.12追記
トークセッションに顔を出してきた。

皆が自身のふるさとだったりに想いを馳せてアクションを起こせば
身近な人を大事に思うという点で、いちクリエイター以前に人として、自身にとっての意味になる。
あわよくば衰退して行く地域に目を向けさせることができる。
ということだった。
プレゼンを聞く限り某有名クリエイターのH氏やF氏もそうらしいが、自身の追体験としてマチオモイ帖をアウトプットし、その過程でさまざまなことを感じた出品者は多いだろう。

それは土地の文脈だとかが希薄になってきた現代において確かなこと。
H氏のトークの中では世界の文化が均質化しつつある中で
そこから到達しうる方法論、世界へ発信すべきコンセプトも見出しうるのではないかという話も挙がった。

だが評価軸がそのもの自体のクオリティというか、プロとしての職域みたいなところ以外にもあるところに、
甘えが出てしまうのではないか。ということも同時に考えていなきゃならない。

夜遅くにMacをたたくのはどこでも、誰にだってできる時代だからこそ。

地方でも、もう土地とふれあうことをあきらめてしまったかのように
あらゆる人が自動車に乗って往来し、
無駄な工事がせっせと自然と人間のつながりを
いまも現在進行形で分断している時代だからこそ。

ひとと空間

古民家改修計画-仮足場設置
今日は母屋のほうも。
床を貼る前に、ひとつ忘れておりました。
いざ、天井をぶち抜かん。ということで単管足場を設置。
単管は重くて丸い鉄パイプなのでむずかしいと思いきや、さっと教えただけでこのチームワーク。
そう。意外に簡単なのです。
例えるならイ○アの家具を組み立てるレベル。
おっさんのLEGOみたいな感じ。
もちろんその上で作業なりをするのでしっかり締め付けたとか手摺を付けるとか、筋交いをつけるとか、床板はがっちりしているかとか、それなりの注意は必要なり。

さて、屋根裏は相当埃などゴミがたまっていることが予想されます。ということでどんどんゴミを落とせるうちにぶち抜いてしまいます。
さすれば上を見上げれば茅葺き屋根の下地がお目見え。
風を通してやれば家の健康が保たれるし、囲炉裏の煙もばっちり抜けてくれます。

「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」吉田兼好
なのだ。
日本独自の美意識は「生活の中にいかに自然をとりこむか」というところから生まれたのだ。
閉ざすでなく、開くべし。ゆるやかな境界が幾層にも重なり、奥へ行く程ゆるやかに薄暗く、内部と外部がグラジュアルにつながる。
そうすれば家は同じ屋根の下の家族をつつむのみならず、近隣を取り巻くモノガタリもつつみはじめます。

また、空間は、人がいてこそ成り立つ。
空き家はすぐに痛んでしまうという話を聞くように、
人が居ない空間はあっという間に朽ちて空間でなくなってゆく。
いや、空間といえば空間ではあるのだが、人がかかわることをやめた瞬間、
人体のスケールに基づいて構成された建築空間ではなくなってゆく。

どんな生き物も、巣はつくるし、重力に逆らって垂直に立っているのだが、
垂直な柱を立てるのは人間だけの特権なのだ。

人間が人間のために空間をつくるので
人間の作った空間は、人間がいてこそというのはある意味当たり前の話だが。
わたしひとりのための空間を嗜好するのでないのであれば、どうせなら空間が成るプロセスでも一緒に夢を広げましょう。
cottがお休みの土日祝を中心にのんびり作業を進めています。改修に参加してみたい方はやってる日、やってない日などありますので随時お問い合わせのほど、よろしくです。

yy

Silence

たとえば
ヘッドホンの音量を最大にして
2速から3速、3速から4速へ
つなぐクラッチのむずかしさ。
体に感じる加速度の変化や
エンジンのかすかな振動を
全身で感じ取り、
馬力の過不足を判断する
困難さを想像してみると
普段なにかをするとき
いかにたくさんの感覚に頼りきって
行動しているかを思い知らされる。

だからたまにはどこかの入力を不能にして
ふだんあたり前に思っていて気づかないいろいろを
想像してみるの。
目の前にいる誰かの気持ちを
想像してみるの。

yy

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