- 2010-06-28 (月) 2:56
- cott Review -場所・製品・建築-
今日はちょっとした電子機器礼讃。
2010年3月15日よりウェブブラウザでラジオを聴けるサービス「radiko」の試験配信がスタートした。ノイズも全く気になるレベルではなく、快適。今のところ、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県限定だそうだが、配信局もエリアも拡大してくれればうれしい。ラジオのメディアとしての力が見直されそうだ。
日本では白黒テレビよりも約30年前、1924年頃に登場した音の出るメディアの起源であり、情報技術の起源。洗濯機、冷蔵庫、蓄音機よりも前に登場し、現在の東芝より発表された当時は革命に近い出来事だったのではと思う。戦時にはさぞ活躍したことだろう。ラジオを聞く習慣がない人も、興味があればぜひ聞いてみてほしい。
昔からラジオが好きで、雑音と格闘しながらチューニングを必死に合わせて夜更かしをして聞いていたのが懐かしい。学校で話題にのぼるのはめっきり流行の音楽やファッション、芸能人などテレビベースの話で、ラジオは一切話題にされない。
誰にも邪魔されない。ささやかなひとりの時間。
家でこっそり聞きながら、空想にふけった。
好きな音楽がかかりそうな瞬間を見計らって録音ボタンを押して、テープやMDで繰り返し聞いた。
どうしても聞けない時間の番組は、予約をして通学中に聞いた。
友人といつものお決まりの場所に隠れてタバコを吸っていた昼休みでもなく、
ちょっと背伸びをして原付を乗り回して徹夜麻雀に向かっていた夜でもなく、
アルバイトに精を出していた放課後でもなく、
私にとってはそんなゆったりとした時間が
たとえば尾崎豊で言う「自由になれた気がした十五の夜」だったのかもしれない。
大学に入り、一人暮らしをはじめてから家にいる時間が少なくなり、いつの間にか聞かなくなった。
家にいない4年間のうちに音楽プレーヤーも進化し、mp3プレーヤーで好きな音楽を好きな順番に並べて聞くようになって、ラジオを再生するオーディオ機器は倉庫へお蔵入り。さらにラジオからは離れていた。
mp3プレーヤーでは当然のことながら自分の持ってない曲でいい曲は知り得ない。そんな閉鎖性が好きでなかった。
そんなときの朗報。インターネットでいつも聞いていた局のラジオが聞ける。
かなり嬉しい出来事だった。
そんな青春時代に聞いたものは今の自分を形成する一部になってるのだろうかなんて思いながら
坂本教授の渋い声と音楽を耳のお供にデスクに向かう、蒸し暑い夜。
口でなく背中で語るために。
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