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決意表明

tocotoco名刺
先日名刺を新調した。本当は昨月にあった展覧会用にカードを刷ったついでに名刺が無くなってきていたので裏面に名前をつけただけだったのだが。表面を試してみたかったインクで色指定して、ついでに小口も蛍光グリーンにして名刺の束に埋もれても見つけやすいように。さらに海外でも使えるようにサイズを小さくした。
さっと印刷するだけのつもりだったのだが、こんなふうに「ついでに、ついでに。」といろいろ考え出してしまって、手が止まってしまった。細かなことも言うと、やっぱりファックスはこの番号の方にしておこう、とか、+81表記の方法は考え直せるなとか。このプロジェクトのこと、入れられるよな。となると、まだ準備段階だけどこのプロジェクトも入れておこうか、いや、そのプロジェクトを進めるまで増刷は延期しようかなど。本当は名前とメールアドレス、電話番号を入れるだけのシンプルなものにしておきたいのだが、それだけでは意図している機能を果たさないので、今はまだそういうわけにもいかない。

そんなふうにいろいろと考えてしまう名刺は決意表明みたいなものだ。工場から刷り上がってきたものを見るとすっと背筋が伸びるような気持ちになる。そういう肩書きを印字して自己紹介をするからには、その肩書きに恥じぬ仕事をしなければいけない。ウェブサイトのアドレスを載せるなら、きちんと情報を発信して行かないといけない。住所を載せるなら、きちんと仕事場で仕事をし、人を迎えるようにしつらえないといけない。先日行った友人の個展で新しく刷っていたポストカードやDM、名刺たちもそんな意思たちがあるのだろう。印刷するということはたくさんの人に渡して、伝えたいことを伝えるということ。人の名刺をデザインする機会にはそういう気持ちを思い出そう。そしていい色に仕上がっているので、またよければもらってください。
MY GOOD DESIGN WORK展示風景

Fate

腕時計の電池交換
ブエノスアイレスの日曜市で買ってきた腕時計が止まったので電池交換をした。電池式の時計は電池が切れると街の便利屋さんに行って交換してもらうのが面倒でいつも放置してしまいがちだったが、お気に入りだったのでわざわざ工具を買って、ついでに棚の肥やしとなっていた時計もまとめて電池を入れ替えた。工具が手元にあれば放置もしなくなるだろう。
その時計は洗練されたデザインであるわけではないし安物だけれど、手作りでお気に入り。赤は好きではないのでいつもは赤を選ぶことはないのだが、そのときに気に入ったデザインのベルトはなぜか赤色で、気に入ったデザインの文字盤と付け替えてもらった。そこでしか手に入れられなかったものをそこでしか出会えなかった人から相談しながら買ったため愛着を感じている。
お気に入りの腕時計を身に着け始めて、時間を見るために手首をちらっと見る行為に比べると、ポケットをごそごそしていた自分の行為をださかったなと思い、手を洗うときにはわざわざ時計を外す仕草すらもいいなと思いはじめた。偶然の出会いがそう思わせてくれたのだと思ったらなんだか素敵な気がする。その出会いがその人の日々の中に溶け込むだけでなく、思想の中に入り込んでいって未来を少しだけ変えたかもしれないのだ。もちろん時代を越えて引き継がれるデザインが優れたプロダクトも好きなのだが、そうやって手にしたものを結局長く大事に使っている。
これも縁だな。最近はそういう道を選んでいる。
自分も時代も、消費の仕方が大きく変わったものだと実感する。

May

岡山県日生町
出張で岡山のある島へ。島を回って民宿に戻り、即日制作で合宿気分。夏はもうすぐそこ。

March

色見本
長い間ノマドワークをすると、手元に色調整された大型モニタがあって、大量の資料があって、画材、色見本、トレース台、光回線などがある快適さに驚き、事務所で仕事をするのが好きになる。さすがに桜が各地で満開との知らせが届く中、事務所で桜の色見本を眺めていても花見している気にはなれないが、移動の合間に桜を見るだけで割と足りていたりする。とはいってもリフレッシュする時間は必要なので、花見に持ち寄る料理は何をつくろうか考えつつ、要は花より団子、団子より集まる理由、なのだろうなと思う。自然を理由に人が集まれる。日本に四季があってよかった。

Decade

車に機材一式を積み込み、WiFi端末をかばんにつっこみ、遠方の友人にも会いに行って来た。
10年ぶりの再開でもあの頃に戻れるので全く何も変わっていないなと錯覚してしまいそうになる。しかし、皆ふわふわ浮いていた足はぴたっと地につけて、それでいて自由なステップさばきで歩いているのだ。当たり前のことであるが、それぞれが皆、時を重ねている。
忘れていた10年前のエピソードで笑っていたら当時の気持ちが意欲も同時によみがえってきた。
たまには昔話もいいもんだ。
1年間のノマドチャレンジの良いしめくくりとなり、10周年はもうすぐそこ。
腰を下ろして持ち帰ったものをアウトプットしに帰ろう。
それぞれでチャレンジして、また10年後に同じ人たちと同じ話をしよう。

なお、仕事を始めたのはちょうど10年前だったので10周年は3月頭だとずっと思っていたのだが、開業届を出した日を今調べたところ、4月14日だったのでその日がうちの周年記念日のようです。

January

この1年間のノマドワークの経験を糧に、日本でも少しうろうろしてみた。海や街もいいものだ。

海を見る

Back in Japan


正月ぎりぎりに駆け込みで日本に帰国した。いま、ロスから羽田行きのロングフライトの中、このブログを書いている。史上最長期間日本から離れ、いろいろ感傷に浸るのかなと思っていたがそんな間もなく、タスクに追われていたら羽田に到着しそうだ。どこにいようと年末はせわしない。

実は今年はほとんどの時間をアメリカ大陸で過ごした。1年丸ごとほぼ日本にいないというのは初めてのことだったが、多くの方の協力のもと、なんとかリモートワークで仕事をこなし続けることができた。おかげでとても多くの新しい経験をし、多くの異なる環境で暮らす人と話し、現在進行形の文化や価値に触れ、多くのことを考え実践することができた。

アメリカ大陸にある国の多くは多民族国家で、インディアン系、ヒスパニック系、白人系、黒人系、たくさんの人種がそれぞれの文化を尊重しながら共存して新たな文化を作り上げていた。それはもちろん単一民族国家に住むいち日本人としてとても新鮮だったのだが、チャレンジしたいという欲求を抑え、日々こなす感覚で過ごしがちだった自分にはさらに印象的に映った。チャレンジしようという欲求の中に主張は存在していて、何かを主張することは誰かに新しい気付きをもたらすかもしれないが、一方で逆の何かに取り組む人を傷つけることになるかもしれない。誰かを傷つけまいとするあまりに、いつの間にかなるべく主張をしないようにと思っていたのだが、そういう感覚はこの1年の間にいつの間にか消えていた。ナイフに例えるなら、ナイフってよく切れるから危ないよねという当たり前のことに気付き、鞘に収めたまま使ってみたり、背で切ろうとしてみたりしてみたが、やはり切れないと料理ができないのでナイフに刃は必要だよなということに気付くようなものだろうか。当たり前のことに気付くのにずいぶん遠回りしたのだが、何も近道ばかり走ることもない。おかげで近道を通っては得られない知見を得られた。

そして今は、積極的に自身からの発信を広げ、人と恊働し、何かをつくることで完成までのプロセスを楽しむことと質を高めることをしていけるといいなと思っている。きちんとひとつひとつ納得しきり、責任を持ってこれだってものを胸を張って出し続ける。そこからまた新しい輪の広がりを楽しむこと。独立当初に考えていたようなこととあまり変わらないが、それを改めてきっちりできる1年に、そして10年にしたいと思った。そう、実はcottの10周年まであと2ヶ月。この1年間は定期的にもらう仕事のみで新しい仕事を受けてこなかったので、独立当初に肩を並べて切磋琢磨していたデザイナーたちは遥か高みまでいるかのように見えかけていたが、彼らの元にきちんと戻れるよう、1年間みっちりインプットしてきたのだ。ちょうど10年の記念日からは少しずれるかもしれないが、これを期にあることを企画しているので、一皮むけたcottをまた楽しみにしておいてほしい。

久しぶりに楽しみにしておいてほしい、という言葉を使った。今年の流行語はお楽しみに、にしたい。

November


自身のソースにないものとの出会いを求めてポスタービエンナーレボリビアに行ってきた。
ラテンアメリカからの出品者が多く、いい刺激になった。
アルファベットとは作りが異なる文字はよく目立っていて、アジア勢、日韓中のポスターは一目で分かった。
次回は出品者として来たいなと思った。
直接足を運ぶと思うことはたくさんある。
引き続き、どんどん足を運ぼうと思う。
なお、1ヶ月後の帰国に伴い、tocotocoWEBは一旦更新終了となります。
(更新が追いついていない分は追って追加、サイトが重すぎる分は追ってデバッグ予定です…。)

October


飽きるほどにあるデザイナーの美しい線を見て回った。
その線はとんでもなく効率が悪いのだが、とんでもなく美しかった。普通に考えると真っすぐ短い線を引けば良いところを、大きくぐるりと回って目的の場所へとたどり着く。例えばそれはちょうど、ラテンアメリカの女性が踊る時の腰のくねらせ方のようにとても官能的で、日本人にはなかなか真似のできる代物ではなかったのだが、そのデザイナーのいくつもの線を眺め、触れているうちに、その線の美しさは単にその形にあるだけでないことを知った。

どちらも目に見えないものであるが、何も置かない空間、そして時間もまた豊かだった。
目に見えないものをつくるために、どのように目に見る線を引くのかについて考える、10月。

A Little Adventure

ある晴れた休日、
インターネットに情報がほとんど見つからない建物を探す、小さな冒険に出てみた。
それがある正確な場所は分からなかったが、
もっと言うならば今も存在しているのかすらも分からなかったが、
インターネット上に見つかったモノクロ写真はとても美しく、
他のどの場所でも見たことのない建物だったため、どうしても見てみたくなったのだ。

バスの運転手に言われて飛び降りたところは
人の歩いていない、未舗装の道路。
ゆったりした雰囲気の田舎だった。
平屋で広い庭の民家が立ち並ぶ。
その中でもひときわ美しい手入れの行き届いた茅葺き屋根の民家の前で
仲良く日曜大工をする老夫婦がいたので尋ねてみると、
どうやらその建物のすぐそこまで来ているらしい。
日が暮れるまでに見つかればいいやと思っていた場所には
拍子抜けするほど簡単にたどり着いてしまった。
あれ、もう少し回り道しても良かったんだけどな。

その気があっても冒険にならないこともたくさんあって、
小さな冒険をさせてみたら、思っていた以上に
冒険ができていない自分に気がついた。
しかし、結果それが大した冒険にならなくても、
心に冒険を宿しているだけでずいぶん感じ方が違うものだとも思った。
帰り道のことを考えずに、飛び込んでみる。
画面じゃなくて、人に尋ねてみる。
冒険ってこんなに楽しかったっけな。

プロフェッショナルなら定めたゴールに真っすぐ船を進めなければいけないが、
そうでない旅もできたらいいなと思う9月。

あれ、8月と同じようなことを言ってるかも。
Atlantidaの教会

August

先日、必要に駆られてスケッチブックを買った。事務所のデスクばかりで仕事をしている時は大抵A4用紙にスケッチを描いており、旅先でもあまり分厚い紙は持ち運びたくなかったのでA4用紙を持ってきていた。だからスケッチブックは久しぶり。
「ブック」なので開いたりめくったりという行為が付随し、例えば膝の上など平らな机の上でなくても気軽に書ける。紙に質感のあるので鉛筆のノリがいいし、何なら気分のノリも良い。上機嫌にスケッチをしていると、いいものが生まれる気がする。気分で仕事の質が上下するのはプロフェッショナルとしてありえないが、そんなものもいいなと思った、8月。
BIO MUSEO, Panama City

JULY

イラスト制作風景
秋はもうすぐそこだ。と、自分の書いたスケッチを見て思う、いつもとちょっと違う夏。コラボレーションも楽しみつつ、よく働く7月。

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