- 2012-10-23 (火) 5:58
- Rocal Design Life -農村デザインの日常-
古民家に事務所を移してから近所のおばあちゃんが福祉センターへお友達とカラオケ会にいく少し前にコピーをして欲しいと定期的に来てくれる。目が悪い友人も大きい字だったら見えるだろうという心遣いだ。
うちのレーザープリンタはグラフィックデザインに特化したのものでコピーはできないのだが、地域の方にはコンビニや福祉センターにあるようなコピー機と変わらない大きさなのでコピーができると勘違いされる。勘違いでも、コピーしたいという要望にやはり答えてあげたくて、スキャナーにオートシートフィーダーのオプションを追加した。A3でもA4でも原稿を重ねてセットすればがしゃがしゃ読み込んでくれる。といってもスキャナーもグラフィックデザイン用のもので、高精度だが読み込むスピードは速くない。
速くないのだが、その間ゆっくりお話ができると思えばそれも悪くない。というより最近はスキャニングとプリントよりも話の方が長くなるくらいだ。はじめよりもおばあちゃんの方からいろいろと話しかけてくれるようになったのが嬉しい。
ご希望のものが印刷され、「はい、ほな今日は6枚やから60円ね~。」と言うと、100円。「今日は24枚やから240円ね~。」と言うと500円。釣りは絶対に受け取ってくれず、さらに「うちにあったもんやさかいに」とビールやジュース、スナック菓子をくれたりする。
はじめはコピー代より数倍も高価なものをいただくのに尻込みしていたものの、そんな話を友人としていたら、「そういえばうちにも来客用のビールのストック絶対あるわ。」とのこと。よく考えればうちの家にもある。
ひとをもてなすためのストックがある。
それこそ田舎の良き心だなと思いほんわかする。
ただし、そのもてなしは無理しない程度で構わないので、相互にないといけません。もし困っておられたら助けてあげなきゃならないし、たまたま喜ばれそうなものを食べ切れないぐらい手に入ったら分ける。そうやって共有する。義務ではなく相互扶助。
(そういうもてなす心が下手な都市農村交流イベントなんかで発揮されて地元が疲れてしまう、というのもありがちな話です。たとえば移住してくるのであればそういう心を一番持っていてもらいたい。)
カラオケや畑のおかげか、とてもお元気な大正生まれのおばあちゃん。コピーしに来て下さったときに話すぐらいのものですが、また来て下さるのを楽しみにして、後ろ姿(上写真に小さく写っています)をこうやってまた見送るのです。時々元気かなと顔を思い浮かべながら。
たくさんの誰かのことをお元気かなあと思える毎日は豊かなことだと思っています。
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