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2010-11

特定非営利活動法人萌友-for you ウェブサイト

特定非営利活動法人萌友-for you ウェブサイト
DATE: 2010.06-10
CATEGORY: Web Design
URL: http://foryou-sashiko.com/
CL: 特定非営利活動法人萌友-for you
AD/D/PRG: Yusuke YASUFUKU PRG: Takafumi HORI(TUNAGUM)
NOTE: CMS導入(すべてのページの情報をウェブブラウザでブログのように更新できるようにした。)

すぐそばにある美しさ

緑の軽トラに映える紅葉
秋の石峯寺

ああ、今日も思わず寄ってしまった。
秋の農村の夕方はいちいちドラマチックに映る。

落ち葉の舞う曲がり道に差し込む木漏れ日
道の脇にござを引いて干してある黒豆が光を反射して輝く様子
落ち葉の絨毯が一面に広がりはじめる山への入り口
傾いた太陽のつくりだすカメラを構えた青年の長い影

あか あお き みどり。
退廃へ向かう前に燃える情熱の美。
それぞれが朽ちる前にちからいっぱいに萌える瞬間。

そんな瞬間が美しいのはきっと人も植物も同じこと。
茅葺きクラシックコンサートを梁の上で聴く
茅葺きクラシックコンサートの様子
↑茅葺きクラシックコンサートの様子

農村万歳。

芸術の秋

淡河の茅葺きオーナー平井真人展へ。
平井真人展2010

淡河のアーティストによる茅葺き屋根の下の展覧会「書ー中西賀子 器ー十場天伸」展へ。
中西賀子と十場天伸展

その帰り道。鮮やかな色に引き寄せられ、思わず石峯寺(シャクブジ)に寄り道。
石峯寺

他にもピアノコンサートに行ったりと自営業を始めて以来、最も優雅に暮らしている気がします。(ちゃんと仕事はしています。賢い時間の使い方をやっと覚えてきたのでしょう。)

そういえば最近写真を撮る回数が減った。編集すること前提で撮るからだろうが、今までは数打ちゃ当たる野次馬的な撮り方だったのが、状況を見て数枚のイメージを決めてからさっと撮るようになった。カメラを触り始めて日はまだまだ浅いし、シャッターを切った回数だって、数十万回と数えるほどだろうけど、そのものの良さをそのままに伝えるためのアングル選びやレンズの選択、露出設定なんてものが少しは見えてきたかな、という気がします。

写真の善し悪しは機材や技術じゃないのでそこはなんとも言えませんが、少しは安定してきたかなということです。

新事務所構想も徐々に詰まってきています。まちの人が見れば「かっこいい。」近所のおっちゃんが見れば「ごっついことしょんな〜。」というようなものを作ろうとしています。そこにある素材でまた違った表情をどう出せるでしょうか。

秋も深まってきました。今度の休みはすぐそこの丹生山(タンジョウサン)に登ろうと思います。
神戸の山でも六甲山は人が多いと思うので、丹生山。いかがでしょう。山田町側から登るなら三宮より車かバスで20分です。

追記
知り合いがピースなイベントをするそうです。
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KOBE SANTA WALK 2010  12/19(日) 13:00START

今年で2回目を迎える神戸サンタウォーク。
サンタの格好で神戸・三宮を練り歩くピースなイベントです。
昨年はいろいろなメディアに取り上げられ、多いに盛り上がりました。

もともと英国エジンバラなどでチャリティーイベントとして
毎年開催されているこのイベント。
神戸でも収益金の一部をチャリティーとして寄付致します。

僕自身も前回初めて体験したのですが、
サンタ姿を見た街の人達は、みな笑顔!子供たちは大喜び!
大人も子供も、とてもあったかい気持ちになります。

サンタの衣装もデコレーションしたり、自分好みにカスタマイズOK!
最後に集合写真を撮影予定なので、みなさん各々で目立って下さい。

お申し込み方法や詳しい内容は、下記のホームページよりご確認下さい。
http://www.santawalk.jp/

REASON

Twitterでもつぶやきましたが、今日は婦人会、自治会、まちづくり研究会、わかくさ、老人会のみなさんに先日撮影した集合写真を100枚近く配布してきました。

しがらみがあって、変わたことをしていたら影でぐちぐち言われてすぐ叩かれる。それが素晴らしいデザインで地域貢献に意味のあるものだとしても誰か一人の理解が得られないために「振り出しに戻る」なんてざら。しゃれたデザインからはかけ離れた環境で、クリエイティブだけに集中できる環境かといわれればそうでない。
関係性が色濃くて、人が鬱陶しい。では、いいところは「自然」かと言えば一番にはそうではなく、何より「人」がいい。この一枚で伝わるでしょうか。それがREASON。
淡河町文化祭にて
さてさて、こっそりと新事務所計画中。ということで配置するものから、必要なデザインや広さを割り出します。まだデザインは確定じゃないので全貌は明かせませんが、ちょっぴり公開。
cott新事務所構想
住まい手の要求に応じていくためにもちろんセルフビルドでやります。お手伝い歓迎。また告知します。coming soon…。

茅葺きライブと陰翳礼讃

神戸市北区には約750棟の茅葺き民家が現存している。(平成20年)
現在、茅葺き屋根とふれあう月間と題して北区が主体となって各種イベントを週末に開催している。
去る11月7日、箱木家住宅で音楽ライブが行われた。
箱木家住宅は通称箱木千年家と呼ばれ、日本最古と推定される茅葺き民家で1967年に国指定重要文化財とされた。

箱木家住宅
詳しい解説は上記リンクよりwikipediaさんにお願いするとして、今回のイベントはその40年以上も大事に大事に保存されてきた茅葺き民家で初の大きな試みとなる。
茅葺きといえば、昔なつかしいという郷愁的なイメージがつきまとい、どうしても現代では保存する以外にこれからの道の見えにくい業である。職人の業としては伊勢神宮をはじめ、多くの文化財がある限りこれからも在り続けるだろうが、住民の業として復活することは難しいし、無理にしなくてよいと思う。
そう考えると、これからの茅葺きはどうあるべきか。
その方向を今回のイベントで初めて公に指し示された気がする。

囲炉裏に炭をくべて千年家を支える大きな梁たちに再び煙のにおいを嗅がせたかったが、文化財のため火を使うことはできない。囲炉裏なのに…。ということで音楽で空間に求心力を与え、火を灯す。
箱木千年家ライブコンサート
「BACHIKONDOOO」の太鼓からはじまり、「slow cafe」、「イーリャ・ダスタルーガス」と続く。
始まりは明るかったが、徐々に山のシルエットが闇に沈んでくる。
千年家の土壁に踊っている影が、千年家の喜びを表現しているかのように見えた。
箱家千年家に映るシルエット
山が闇に沈みきったところで寒空の下、おにぎりと味噌汁をいただき、室内で後半の演奏が始まる。
母となった淡河の歌姫「むぎ」の包み込まれるような歌声から「estinto…」のアンビエントミュージック。ハン(中華鍋を2つを逆さにしてくっつけたような楽器)を手で叩いて繰り出されるアナログなメロディーの反復が丹生山にこだまする。

箱木千年家ライブコンサートに向けた「淡河かやぶき屋根保存会くさかんむり」によるコメント
箱木家住宅屋内ライブ
箱木家住宅のライトアップ

ライトアップは控えめに。

茅葺き屋根をライトアップするのは確かに綺麗で、とても味があっていい。だけどそこら中の茅葺き屋根をライトアップしてルミナリエや紅葉時期の京都の寺院、そして観光地として有名な白川郷のようにしてしまうのは少し違う。入り口としてはそういうこともいいのだが、綺麗だな、というだけではテーマパークと考え方が同じで、文化財をただかたちとして保存しているのみのことと何も変わらない。

日本の文化といえば陰を楽しむように形成されている。これが日本特有の奥ゆかしさとか間という表現になるのだろうか。例えばそれは家の造りなどにも現れていて、塀、庭の植栽、軒、縁側、障子、奥の部屋と奥へ行くに従って徐々に光を落としていくように家ができている。

このような日本の空間、そして文化の特質を巧みに表現したと言われている文献として谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』が有名である。西洋では可能な限り部屋明るくし、陰翳を消す事に執着したが、 日本ではむしろ陰翳を認め、それを利用する事で陰翳の中でこそ生える芸術を作り上げたのであり、それこそが日本古来の芸術の特徴だと主張する。こうした主張のもと、建築、照明、紙、食器、食べ物、化粧、能や歌舞伎の衣装など、多岐にわたって陰翳の考察がなされている。

建築に興味があろうとなかろうと、現代において日本の文化を考える際には外せない一冊である。日本人なら読むべき著作ベスト5に入ろうか。もう一度、読み直そうと思う。

かたちを残すことのみにとらわれて、思想を置き忘れてはならない。

少し話がそれたが、民家というのは住まい方とその中にある思想も含めて保存されるべきもので、その住まい手が不在であると本当の意味での民家の良さというのは伝わらない。

高度経済成長期から農村地の文明開化もはじまり、農村地域のシンプルであるけれどもその中にどこまでも豊かさを含んだ生活美は崩れ去っていく。
安価で身近に手に入る材料で環境を作り出す。もともとそうしていたところに美しさがあったのだが、今や、農村地において安価で身近というのは自然素材よりもどうしても大量生産される工業製品の方に分がある。

別にソレをむやみに否定して昔に戻ろうと言うつもりはないが、大切なものを置き忘れてないか、こういったイベントや古民家を通してそういったことをもう一度考え直してみたいものである。

北区淡河町は十場家の陶芸教室も盛況のうち終わったので次は11月27日。神戸市北区は長尾町、一級建築士の赤井さん宅、神戸市登録有形文化財「赤井家住宅」にてクラッシックコンサート。申込み締め切りは11月19日。その次は12/4日花山中尾台にて茅刈り。その次の日は茅葺き体験会 カヤコヤ@神戸・淡河が12月5日(雨天順延12日)。昨年の様子
くわしくは、北区のウェブサイトにて。

これから神戸の茅葺きの動きにご注目を。

DEAR…

大きな愛に触れると
他の全部を忘れてしまうのです。

月並みな言葉しか思いつかないけれど
どうか、お幸せに。
新婦の後ろ姿

Mission of Creative

デザイナーたちで連れ立って某紙会社の展示会へ。
そして八尾の印刷工場へ。
最近の印刷技術は進んでいるもので、特殊印刷と呼ばれる技術を各社続々と採用されている。
写真を掲載できないのが残念だが、人工的な光で満たされたインキやその他よくわからない薬品のようなものなどが混ざった独特のにおいのする空間。その中に印刷機が電車の一車両ぐらいあるのではないかというほどの列を作ってぞろぞろと並んでいる。まるでターミネーターの世界にやってきたかのよう。

現場を知る。

デザインの分野全般において言えることだが、現場を知らずに本当にいいものをつくることはできない。最近出たmacbook Airだって、あれだけの薄さやかたちを実現できるのは、その中に入るハードの形を効率的に納めるためのデザイン部門と開発現場の執拗なまでのやり取りがあってこその賜物だ。会社経営だって現場を知らなければ部下がついてくるはずはない。複雑な原理の中にあるものほどコンピューターが勝手に動かしているようだが、要は人なのだ。
特殊印刷による販促物

プロジェクトのミッションは何か。

ただ、印刷物の技法でインパクトを与えることを考えて、いつの間にか真新しい印刷技術を使うこと自体が目的になってしまうといったことはないようにしたい。クリエーティブは人のためにある。

選択肢は幅広く提示できる方が良いが、技術やクオリティばかりにとらわれないこと。ミッションのゴール、つまり(広い意味で)「人」に喜んでもらうことを見据えた上でいろんな選択肢の中から条件に合う最適の解を見つけること。

人が、人のために行うクリエーティブ。そんなことを思い、いいものといい人たちに出会った週始めでした。

Source of Creative

友人から写メールが届きました。
茅葺き屋根とふれあう月間 神戸電鉄車中吊り広告
それが日常になじんで使われるシーンを目にするのが一番嬉しい瞬間。

プレゼントの延長。それがcottのクリエーティブの原点。

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