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Self-sufficient Housing -生きられる空間- Archive

TRANSITION

昨年の淡河そら祭りぶりに触れる苫編み(とまあみ)。
苫編みワークショップ
苫編みとは農村地域に古くより伝わる百姓の業。

苫を瓦屋根の上にかぶせることで瓦への日射を防ぎ、屋根面から室内への伝導熱および内壁よりの放射熱を低減させる。瓦の劣化にも効果的。言うなれば草のちょっとしたカーテンウォールのようなもの。

夏涼しいというのは日本家屋にとっては極めて重要で以下のようにも言われている。
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」吉田兼好『徒然草』
えらく単純な文であるが、それが逆に昔の人の経験則のようなものにしっかりと裏付けられているような実感のこもった印象を受けさせる。もちろん鎌倉時代の冷暖房のない家の場合であるが。
さて室内温度はどれくらい下がるだろうか。

たぶん冬はわらを外して肥料にでもしてまた来年もとまとまするのでしょう。
基準法的には瓦屋根に草が乗っているようなもので、いつでも取り外せるから防火上問題なしという解釈でよいのでしょう。
棟には真っ赤なダリアを植えたいそうだが…

しかしながら伝統的な価値を現代に変換していくために楽しみながらでもいろいろ試していくことは大事。
瓦屋根の上に茅葺き屋根

う〜んいい風景だ。
くさかんむり相良邸にて。

くさかんむりの苫が今年度も動き出しました。

↓去年のくさかんむりWORKSのひとつ。画像たっぷりなので苫葺きがイメージしやすいはず。
神戸市埋蔵文化財センターその道の達人に学ぶ体験講座「竪穴住居をつくろう」

ツリーハウス解体作業3/26-27

昨日と今日の作業の様子です。

壁がとっぱらわれて夏はとっても気持ちよかったことを思い出しました。
冬眠中のトカゲちゃんや虫ちゃんたちには失礼して解体しながら
ここは誰がどんなふうにやってくれたなぁとか
ここ工夫してやったなあとか
ここ焼肉のタレしみとるやんとか
その当時からこれまでこの場所で起こった出来事のことをいろいろと思い出していました。
また次の構想を練りながらゆっくりと弔います。

何かを得ることは何かを失うこと
何かを失うことは何かを得ること

すべてに意味があります

当たり前に

姫路の住宅で今話題のストローベイルによるワークショップで壁が作れまいかと考えていると、わが地元淡河に人を集めて竹やストローベイルを使ってコミュニティーセンターなんか作れても面白いだろうなぁなんて妄想が膨らむ。

竹は生育が非常に早く、一日で数十センチ伸びたりもするため、人の手が適度に入らなければほかの山の植物をどんどん侵食していき、森林機能を破壊する。現在では竹を伐採して日常に竹という資源を利用する人が少なくなっているため、全国各地で人の手が入らなくなった竹林による被害が問題となっているのは有名な話だ。

竹

cott事務所のある神戸市北区淡河町は王子動物園のパンダに笹を提供しているぐらいなので竹は余る程にあり、藁は秋にたくさん手に入り、(実際に触ったことがないので質はどうかはわからないが)土もある。竹と藁と土で生態系の一部としてうまく循環する建築が完成する土壌にある淡河町。

ストローベイル+左官+茅葺き(+ツリーハウス)。

機会があればこういったプロジェクトをたくさん行っていければおもしろいなぁと思うのだが。とりあえず試しにうちの事務所のデッキ作りでそういったワークショップを開催してみようかなんて思う。

別にノスタルジカルな情景に浸る必要はない。

ロハスやスローライフ、エコロジカルであることを大々的に推していくでもない。

ゲニウスロキ、地霊を感じて生きること。

(ゲニウスロキについての説明はこちらを参照)

当たり前にやさしくも厳しい自然の循環の中に人間がある。ただそれだけである。

ツリーハウス外観 ハンモックには人

ああでもないこうでもないと、姫路のセルフビルドプロジェクトの検討をしているうちにかなりマニアックな雑誌、月間さかんに行き着く。

一般にはあまり知られていないかもしれないが、編集長にあの『左官礼讃』の著者である小林澄夫さんを迎え、久住章さん、挟土秀平さん、原田進さん、森田一弥さん、遠野未来さんなど、左官業界のホープたち、素材にこだわる建築士の豪華面々をそろえて記事が書かれており非常に興味深い。

版築、ストローベイル、日干しレンガ。

ますます予測不可能な自然に予測不可能な素人が向き合うセルフビルドプロジェクトにはまるのでした。

ツリーハウス内装を仕上げる

その手でつくること

普段こんな事務所でいそいそと制作活動に励んでいるわけですが、

事務所

セルフビルドに関する試作品ばかり製作していたら、事務所がえらいことになってきました。

事務所

こんなふうに住まい手の要求に応じた空間をつくるためには

この手でつくること

そして理解すること

つくることを身近におくこと

ただ決してひとりでする単なる日曜大工にとどまらず、そのつくる行為を回りに伝え、つくることで得られる多くの副産物を体感してほしいと思う

壁塗りワークショップ

cottプロデュース

壁塗りワークショップ

を開催しました。

壁塗り前

京都からたつみくん、まゆちゃんにお手伝いにきていただきました。

珪藻土という主に内装に使用される土を塗ります。

下地との相性もいいですし、施工性も良く、初めて塗るという方でも簡単に塗ることができます。

必要な分だけ簡単に調合できて、表情の付け方も本格的な左官と変わらない感覚でできる。

cott注目の素材のひとつです。

珪藻土を塗る

塗りながら、話がはずみます。

めんどくさいなーと思っていても、塗り出せば、おもしろい。

これが壁塗りワークショップ。

ひとつのかたちあるものをみんなで作るのは、かなりおもしろいと自負します。

これからそこに住まうのならなおさらです。

もうすぐ完成。

やってみたい方、まだまだ体験できます!

未完成の壁

この途中で置いておきながらも 徐々にできていくかんじが自分たちで施工するおもしろさのひとつでもあります。

そんなふうに流動する家をつくりたいです。

家財の増加や子供の成長する過程に従って使いやすい空間は異なるし、

そもそも人は時間の経過とともに変わっていく生き物だから

それに従ってその人を包み込む空間も様相を変えて行くべきです。

そうすることで自分たちを包む最適な空間ができるのだと考えます。

そのためにはそれぞれの人の空間に関わるための能力が不可欠です。

cottはその技術向上に少しでも寄与できたらなぁと思っています。

そうやって都市の力が行き届いていない地方に行ったときの、形容しがたいけれどもなんだか素敵だなぁという感覚、つまり独自の文化というものが生ま れるのではないか。

そんなことをいつも考えています。

この模様は近々発刊予定のcott通信にて詳しくお伝えします。

このサイトにアップするのでぜひお楽しみに!

おそくなりましたが

起立!点呼!新妻忠志!鎌田希来!新庄彩香!小澤麗!太田宏美!柴尾あゆみ!菅原佑平!二川孝!山田晶子!岩倉ゆり!香川剛輝!辻友樹!河野哲也! 中野富昭!竹田由佳!吉田奈央!八木康彰!久米貴大!溝口秦大!仲井!宇津木健!小杉雄太!森えりか!片倉ひろき!松田咲紀!嶌本千咲子!瀧波美佳 !大西健太!畑圭介!福永あすか!友田由貴!松田家一同!安福家一同!近所の柳生さん!山口さん!矢木さん!尾上さん!

本当にこんなにも大勢の方々に手を貸していただいたおかげで成立したこの事務所です。いまさらで失礼しましたが、心から感謝。ほんとうにまわりの環 境に恵まれていて、まわりに生かされていることを痛感した夢のような半年でした。ありがとうございましたでは足りませんね。どうやってお礼しようかしら。

これからもいろんな方に関わって頂けることを願って。

集合写真

屋根を

今日は屋根の修復。

修理

屋根が吹き飛べば、またちょっと頑丈にして屋根をつければいい。すきま風が気になったら隙間をなくせばいい。穴があいたらまた埋めればいい。住人が 増えたら広くすれば良い。住まいは住まい手の要求に応じてカタチをかえていくべき。これは住まい手が自らの手を汚してつくったからこそできること。ハウス メーカーや建築家に「超完成形!」と言わんばかりの住宅を提示されたらちょっと壁紙を変えるのでさえ気が引けてしまう。そしていつの間にか日本の住宅は世 界的に見ても異例なほどモノにあふれる。中に住む人間の要求だけが変わって空間自体は何もかわらないから。

人って変わってく。しかもかなりの早さで。だからこそこの長い進化の歴史の中で食物連鎖の頂点に立つことができたのではないのだろうか。別に不完全 でもいい。かっこ悪くてもいい。みんなで心あるものをつくろう。そもそも人間なんて不完全なものなのだから。

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