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桃源郷

出張先でひとり、景気付けとして人力屋台のラーメンを食べた。

おっちゃんは慣れた手つきで、かつひとつひとつ丁寧に

秘伝のラーメンをこしらえていく。

儲かりは決してしないけれどもひっそりとやってるのがいいんだと

苦笑いを浮かべながらどこか得意げに話す。

その話し方や雰囲気にはたくさんの苦労に耐え抜いて来たからこそ

醸し出せる優しさがにじみ出ていた。

十年以上もこうやって5時間かけて仕込んだスープをひっさげ

毎日重い屋台をひいて1キロ以上の道を深夜、早朝に往復して

メニューひとつその身ひとつでこれが俺だって構える。

寒空の下、誇らしげにお客さんからもらったビール片手にどこか控えめで雄弁に語る姿を見て

まだまだ日本も捨てたモンじゃあないと思った。

屋台は味以上に、人柄だ。

それは決して公の場に出て行列ができてはならないし

全く人が寄り付かなくなってもいけない。

苦労を笑い飛ばしてみんなの桃源郷をつくりだす。退廃しきった心を迎え,優しくただそこにいてくれる。

職こそは違えど,おそらく目指す所はそんなおっちゃんなんだなろうなと思った。

自分はまだまだひよっこだ。汚いけれど、手の汗と涙がしみこんだ、愛着ある屋台が構えられるのはいつの日のことだろうか。

今日も今ごろおっちゃんは誰かの心を癒していることでしょう。

また逢いにいこう。

明日は茅葺きシンポジウム。「都市と農村の協働する茅葺き民家」について話を伺ってきます。

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