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Mockup

耐久性やスケール感、施工方法など、頭で考えるだけではイメージしきれない時、あるいは伝えにくい部分がある時は、実寸大のモックアップが一番。

まずは図面を見ながら調達した材料を組み立てる。一枚の木の板を吊るすことで、情報の差し替えに簡単に対応するとともに、傾斜地でも常に垂直面を保持し、どんな状況でもある程度見やすくできるように設計してみた。部材の組み合わせ方にも配慮し、垂直荷重は垂直材に直に伝わるようになっていて、そっと腰掛ける程度は大丈夫。継ぎ目は木工用ボンドとダボ継ぎでビスなし。板面は風で揺れるが、揺れる方向にはそれなりに強く、割と合理的な構造にもなっている。揺れることで目を引く効果も若干期待。もちろん折りたたみや分解も工具いらずで一瞬。横殴りの雨でなければ、雨が降っても板面は濡れない。このように、見た目は普通ながら、文字に書き出してみると意外に考えて作られているらしいことがわかる。デザインは普通なものの中にも案外たくさん潜んでいたりするのだ。
ダボ継ぎ
ハタガネで固定
看板組み立て
さて、これでフレームは完成したので、あとは板面に情報を載せるのみ。カッティングマシンを使って事前に作っておいたデザインに切る。
カッティングマシンでカッティングシートを切る
看板はこのカッティングシートと呼ばれる、シールみたいなものを切って貼って作られているものが多いが、今回の材料は木なので、カッティングシートを貼ろうとすると、下地処理をしてツルっとした面にしなければ、はがれやすい。ただ、下地処理をすると木を使った良さが減るため、今回はカッティングシートの図でなく地の部分を使ってマスキングし、ステンシルの要領でペイントすることに。木には呼吸させてあげなきゃ。
ステンシルの要領で塗装
カッティングシートをはがす
そして大変なのがこのカスとりの作業。「o」や「e」や「a」などの文字の外形をなぞるだけでは表せない文字は、その中を取っていかなきゃならなくて、文字が多いともはや苦行の域。実ははじめにシートから文字を切り出した後に一回この作業をしているので、ペイント後のこの作業はなんと二回目。。この板に文字を入れる作業は業務外のことだったので、深夜0時ぐらいに作業を始めて、ちんたらやっていると気付けば朝6時。
猫とcottの看板
ご近所さんも早速仕上がりをチェックしに参上。早速体当たりをしたりとなかなか厳しいチェックながら、徹夜の甲斐あって評価は上々、「若干文字のにじみがあるが、それも愛嬌。まずまずの仕上がりやな。あとはヤスリをかけて屋外用塗料を塗って、経年劣化を引き続きチェックしよう。」とのことだそうだ。

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