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2013-03
In A Park
- 2013-03-26 (火)
- Anecdote about Design -業界の小話-
ランドスケープデザインという分野の最先端で活躍する学生の頃からの友人が上海にいる。その仕事ぶりを拝見しにいくというのが先日の訪中の目的のひとつでもあった。彼女は上海のデザイン事務所などクリエイティブな職種が集まる地区のオフィスで働く。ランドスケープデザインとはものすごくざっくりと言えば、公園などまちの公共空間を設計するお仕事。その友人の話では、中国の公園と日本の公園は全く異質なるものだそうで、同じように作ってもそこに集まる人が全く違うとのことだった。そういうわけで早速私もそんな公園使いの達人たちを観察すべく、パン屋でパンとコーヒー(のような飲み物)を買って、よく本を片手に公園で休憩時間を過ごしに行った。
中国の街中ではどんな公園にもたくさんの人がいて、公園使いが非常に多様だ。ある公園ではカードゲームや麻雀、体操に社交ダンス、バドミントン、太極拳、カラオケ大会などさまざまなグループによりさまざまな催しが開催されている。日本ではあれやこれやと公共空間に趣向を凝らし、どうにかコミュニケーションを誘発する仕掛けをと考えるものの、そんな悩みはなんだったのだろうかと言わんばかりに彼らは公園をフル活用してくれる。失礼な例えだが、7年ほど前、初めて中国に来た頃は 日本人の私にとっては公園がまるで動物園かのように感じたのを思い出した。中国のコミュニケーションに慣れた今なら皆、屋外を楽しむ術に長けていると言えるが。
本当に所謂普通の公園なのだが、実に活気がある。かといって、それらを眺めながらのんびりすごせないわけでもないし、少しかしましいと感じれば適度な距離感を保って遠巻きに眺めればいい。デザインにおいて重要なキーワードであるコミュニケーションについてぼんやりと思考をめぐらせていたものの、観察しながら特に何かが見えたというわけではない。ただ、多様なコミュニケーションが営まれているのは間違いなかった。人と環境がいい具合に作用して生まれるコミュニケーション、というよりは座る所や影になっているようなところすらなくてもちょっと広くなっているようなところさえあれば起こるような類のコミュニケーションだったのであまり日本でのデザインワークではあまり参考にならないと友人が言ったとおりだったが。
日本では皆それなりにすることがあって、逆にないのをわろしとするような文化。公園には中国のように長期間滞在する人はあまり見られない。このような公園使いをするのは桜が植えられている公園の花見の時期ぐらいだ。あえてちょっとノスタルジックにコメントをするのならば、こんなふうにのんびり過ごす事を忘れてしまっているような気もするとでも言えるだろうか。
いずれにせよのんびり過ごせたのは確かだったので忙しく働くその友人に、自分たちの設計した公共空間で現地の人たちと同じように時を過ごしてみることをぜひ勧めてみたいと思った。仕事熱心な彼女のことだから、きっと設計で関わったところには竣工後、実際に足を運んでいるに違いないが、あくまで日本人としてである。もっと現地人のように過ごしてみてはと提案したところで、断られるのは目に見えているのだが。
そんなふうに人と環境のコミュニケーションについて考えていた。その中で私が特に考えなければならないのは、ビジュアルコミュニケーション。先日の訪中で一番好きだった看板はこちら。
非常に機能的であることが求められ、その機能をシンプルに満たしている。
もちろん他にも中国にはたくさんの看板があったのだが、どれもイマイチ。といってもビジュアルの絵がどれもこれもイマイチというわけでなく、そのビジュアルの存在の仕方が特にイマイチだった。例えばの山をダイナミックに切り拓いてつくられた高速道路なんかを走っていると、たくさんの巨大な企業広告が建てられているのを目にする。内容はマンション250万元〜というような広告だったり、ヨーグルト飲料オイシーという類のものだ。その看板の脚下を見てみると田んぼのど真ん中にそのコンクリートの基礎をよけて農作物が栽培されていたりする。確かにその商品のことを知ることができるが、外国人の私からすれば伝わるのは明らかにマイナスイメージである。(仕事柄の視点だろうが。)
そういえば、日本でも同じような光景を目にする。たとえば神聖な神社でさえも、○○禁止だとか、の看板が目立っていたり。そんなに禁止しなくても、考えて動くだろうと。「まちをきれいにしましょう」というような錆びた看板自身が景観を乱しているなんて事態も。(ま、企業でなく自治体が建てる看板は仕方ないのかもしれないが。)
特に、商業性を持った看板について、その在り方から再考していかなければならない時代にきている。マス広告の力は弱くなったと言われて久しいが、以前のような広告手法にしがみついていると決してうまくいかないだろう。自分が欲しいものは自分で選ぶ時代。ただ相手を欲しいという気持ちにさせ、購入に導かせられればいいわけじゃない。
グラフィックデザインはサーフェスだけのものじゃない。ふさわしいにぎわいを作り出し、ふさわしいコミュニケーションを導く、そんなグラフィックス。具体的に言えば、商品と消費者双方の幸せを生むような、人と風景とをつなぐ架け橋となるようなデザインを実践していければと。
Shenzhen Bao’an International Airport-Expantion T3
Massimiliano and Doriana Fuksas
そういえば、噂の深圳宝安国際空港をちら見。外観は完成したように見える。内観も見たかったのですが、残念ながらオープンは2013年8月の予定だそう。(情報源 http://www.businesstraveller.com/)ということまた行かねば。空港が、お好き。いつのまにかcottも5周年。6年目も超ドメスティックながら、グローバルに動ければ。
interrogatives
- 2013-03-20 (水)
- Rocal Design Life -農村デザインの日常-
隣町の大沢(おおぞう)町へ。大沢町は三田プレミアムアウトレットなど大型商業施設のすぐそばながら、驚く程の農村景観が広がる。
取材で話を聞けば聞くほど、皆さんの土地への信頼や愛情が伝わってきて、うちの町でもどんどん人に会って、聞いていかねば、と思ったのだった。たとえば自分の家族や恋人など、身近な関係ほど疑問詩をつけて改めて話すことが少ないでしょう。そして、いい記事にしなきゃ、とモチベーションをいただいた。企画から提案させて頂いた人柄を伝える記事で、本当にいい人なんだから、悪い人だと伝わってしまったら困るでしょう。こういう仕事こそ腕の見せどころ。地域の状況さらには文化圏が近いからこそ出来る、ネイティブな方言ユーザーならではの切り口で、Team cott、気合いを入れ直してその想いに答えます。短時間でとっておきの話を聞き出すには信頼関係を築くための材料があると強いのです。
事務所での制作時間が長かった3月。淡河町と同じような農村景観の中をのんびり歩きながらのひとときだったのですが、それにしても、気持ちのいい時間だった。
Spring Has Come
- 2013-03-15 (金)
- Rocal Design Life -農村デザインの日常-
違和感の理由1
- 2013-03-05 (火)
- Tweets -はてしないたわごと-
[生きろプロジェクト(西宮船坂ビエンナーレにて)]
地震の時の備えにペットボトルの水を買い込む。米を買い込む。
実はなんとなく違和感を感じてて、そういう備えをしたことがない。
神戸市民の意識として、ありえないことかもしれない。
だけどそれはきっと山の水を飲んで、そこらへんに生えているものを摘んで食べて、…って小さい頃に日常的に体験してたからだったんだろうな、とふと思った。水道以外にも水が出てくる場所も知っていたし、スーパー以外から食べものを調達できることを知っていた。家の中以外に備えがあり、それをうまく利用する方法を身体で知っていたのだ。原子爆弾の投下や日本列島沈没などこのまちをまるごと飲み込んでしまうクラスの災害だと厳しいけれど、インフラがまるごと駄目になる程度のものであれば備えをしなくても、SURVIVEできるという確信が無意識の中にあり、ここに働き暮らしていること自体が私にとっての安心だったのだ。つまりSURVIVEする身体づくりという意味で、自然界をより身近においておこうというのが私なりの万が一の事態への備えでもあるのだ。
そんなわけで、あったかくなったら愉快な仲間とおにぎり握ってすぐそこにそびえる丹生山をあるくイベントを企画しようと思う。もうすぐ楽しい芽吹く春。まずは自分たちが率先して身近な自然を楽しんでいこうかと。
一昨日のワークショップで地域の皆さんがアイデアを挙げる様子を見ていたら、そんな皆さんがいるのだから、一緒に楽しんでればべっちょないと私自身思ってしまったのですね。
「my home town わたしのマチオモイ帖」展示会
- 2013-03-01 (金)
- Event News -イベントのお知らせ-
2013/3/1(金)-24(日) 11:00-19:00
兵庫県内の70を超える「マチオモイ帖」が展示中。淡河帖もあります。
DESIGN AND CREATIVE CENTER KOBEにて開催中です〜
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