- 2011-06-08 (水) 7:14
- Way of Working -cottのお仕事-
近頃は、はまるはまる。白インキ。
白は何にでも良く合うのだが、特に黒い紙や少し赤みがかったクラフト紙と相性が良い。
白と言えば、普通は紙が白い前提で普通は表現されますが、色紙にもともと付いた色を最大限に生かしたいときなどはは白いインクを使います。普通のプリンタで塗らずに表現していた箇所に逆に塗ります。
地色に白を引いても白に紙の質感が重なってまたおもしろい。
(質感を出したくない時はオペークインキと呼ばれる種類のものや、二度刷りなどで対応しますが、せっかくなので特別な意図のない限りは少し透けるインキで紙を生かして楽しんでみたいものです。)
どれーにしよう。
縦長のものは1色刷り。横長のものは2色刷り。
左下の、白地にピンクと茶色地にピンクの色は実は同じ色で、目の錯覚なのです。(本当はピンクでなくて、蛍光オレンジのインキを使う予定ですが。ひとまずピンクでプレビュー。)
これを明度対比といいます。どうみたって白地にピンクの方が沈んで見えますよね。これはどんなに修行を積まれた方でも感覚的にはそう見えます。人間の目ほど信用できないものはありません。
周りが明るいと、自分が暗く見える。まわりが暗いと自分が明るく見える。
人間の感覚は常に周りと比べて自分を認識しているのです。
余談ですが、相対性の話。これは知覚の話でなくてもきっとそうだと思います。
みんなが一生懸命徹夜して学校に泊まり込んで制作に勤しんでいるデザイン系の大学では寝る間も惜しんで一生懸命にやっていた。しかし卒業してアルバイト生活になると、やろうと思ってもなかなか腰が重い。毎日明日でいいやと先延ばしにしてしまう。どんな環境でも芯を持っていたいものですが、実際はなかなか難しかったりする。そんなふうにひとはまわりとの関係性の中で生かされる相対的な生き物なのだから、これをやろうというとき、周りの環境をつくっていくのもひとつかもしれませんね。cottで言うならば、どんなに田舎でも、研究職的にデザインを追求していく世界に身を置くための環境整備を少しずつ。
また、図を白で描くことにはそれ以外にも意味があるような気がしています。
普段何も感じない白について意識する。
ということは一般的に我々が使う白い紙に黒いペンで絵を描いているとき、黒い絵を書いていると同時に黒いペンを使って白い紙の白で絵を書いていることをも意識してみる。そんな意識に訴える効果が白インキにあるのではと思います。
白い紙ベースのレイアウトで白の伝える意味をより考える。
そんな美的感覚向上を図るという意味でも白インキは素敵なもの。白で印刷できる廉価なプリンタが欲しいところ。
たとえば実家暮らしから一人暮らしになったときに母のありがたさを感じるのと同じように、普段意識しない事象について意識してみること。
そんな、色と人間のはなし。
18,9のときにとったカラーコーディネーター1級が、ここにきてじわじわやくにたちはじめている。
安福
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