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Price of DIY

DIYの価値

近頃ちょっとしたDIYブームのようだ。今回、cottも流行りに乗って、いや、いつもどおりにDIYで今回のプチリノベーションを実施している。総工費は5万円程度。LED照明やコード類、家具のパーツ、ストーブなどを含めても10万円に収まる。ひとまず1年契約の仮オフィスなのでちょっと間仕切りを立てただけ、仮設配線のため天井と壁片面は仕上げを貼らずなのだが、それなりの大工仕事を実施していることを考えると、安上がりのように思える。
ただ、自分たちの人件費を考えるとそうでもないかもしれない。今回は設計施工に1カ月、50人工(人・日)ぐらいかかる予定だ。
たとえばプロの職人ひとりがcott建築団の倍の早さで仕事をこなすとして、全部頼めばいくらかかるか計算してみると、大工さんに15万円、ペンキ屋さん、電気屋さん、洗い屋さんに20万円、建築士に15万円、計50万。そう考えると総工費は50万+5万=55万。材料が5万円であれば1カ月分のcott建築団の給料は50万で、ひとりあたり1万円の日当。DIYをせず、1カ月自分たちの職域でせっせと働いたらプロの仕上がりが買えてしまう。
そう考えるとDIYをするのは金銭的メリットも仕上がりのメリットもないように思える。
そこにあるのは、日当換算に代えられない「おもしろい!」という単純な感覚なのだ。

DIYのススメ

何がおもしろいのかと言うと、まずは自分の知らない分野に足を踏み入れて、出来ることがひとつずつ増えて行くのは、とてもおもしろい。知らない分野にいきなり一人で飛び込むのは力不足だったりするので、それを補うために人を集めたりするからまたおもしろいし、それがまた他の分野でも生きてきたりするのでもっとおもしろい。それが目の前の形になって現れて来るものや、日々の暮らしに関わって来るものだと、さらにおもしろい。
日々の暮らしのものには必ずメンテナンスが必要で、作る段階から関わって来た場合それが自然と出来るようになる。例えば壁に飾り棚を増設したいときにも、この壁の中に柱が通ってて電気の配線は通ってないから釘が打ち込めるなどと判断できる。金槌を使っていて棒が折れたら新しい棒を差し込んでまた何年も使うようにできる。これまで意識しなかったことを意識できると、なんでもない日々がより彩り豊かに見えて来るかもしれない。身の回りに日々手を入れて行くメンテナンスは自分たちらしい暮らしを手に入れる手段であり、買って、壊れたら捨てて新しいものを買って、という自分の理解を超えたループから解脱するためのささやかなロック精神なのかもしれない。

cottがDIYをやり続けて来たのは、自分たちの生活に関わることは何でも自分たちでこなすという農村マインドの延長だったが、農村マインドに寄り添えば寄り添う程、日々の暮らしの中の楽しいやおもしろいといったピュアな感覚を思い出すのである。
ツリーハウスをDIY

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