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篠山探訪

遡ることふた月以上。

篠山で庭師をされているお方の古民家にお邪魔させていただきました。

篠山は全国にも誇れる左官技術で有名な土の文化があります。
荒壁仕上げの大きな壁面や、自由曲面の風呂など、そのお宅の空間にも感動したのですが、今日は別の話題を。
泥団子
さて、このピンクの玉なんですが通称、泥団子といって、土からできた光沢のある玉です。
一目したところちょっとしたガラス玉のようにも見まごうほどの重量感と艶。とても土からできたものだとは思えません。

左官を身近に感じてもらおうと、大津磨きという左官最高峰の伝統技術を応用して作られたもので、最近ではワークショップが各地で開催されています。

詳しい作り方などの説明は以下リンクにおまかせしておいて、
光る泥だんご(ハマニ株式会社)
ピカピカ土団子(スズキ土建)

篠山氏左官技術研究会の会長から素敵な話を伺えたので、その断片をいいトコどりでご紹介。

泥団子はしばらく経ったら艶が沈んでくる。
せやけど後からまた磨けば光るんや。
何でも一緒。家でも嫁はんでも一緒や。

手入れしたらなどんなええ家建てても嫁もろても意味あれへん。

そうやって愛着が湧いていく。その愛着がもっといい家にしていい心を育むのですね。

自分の国の文化財ぐらい自分の国の職人だけで守れへんでどうすんねん

本当にごもっとも。伊勢の式年遷宮の時期ですが、いくらグローバル化の時代だからといって日本の魂である建築を海外の職人に手伝ってもらうというのは少し寂しい気がしますね。

近頃は高気密高断熱はやっとるけどそんなもんあかん。

やっぱり空気は循環せな。
それにはやっぱり貼りもんやのうて生きた材料使わな。

高い金はろて病気になる家建ててどないすんねん。

まぁわしの家はクロスやってんけどな。笑
バブルの頃に建てたんやけどその頃はほんま忙しいて自分の家の壁なんかする間なんかあれへんかったわ。

耐震の問題かてそうや。
わしらいっつも設計士に言うんは5寸の柱してくれ言うねん。
かべも貫いれてしっかり竹小舞して塗ったらもつがな。
伝統的なもんはほんまにようできとるで。

建て売りの業者から左官壁にしてくれとか言うて電話かかってきてんけど初めに言うたるねん。
高いでってな。
左官がどんな手順でやるんかを知らへんからよう見たらほんまとんでもない見積もり出しよる。

建て売りとか基礎のモルタルぐらいしか左官の出番ないしな。
せやから今の職人で漆喰すら塗ったことないやつもぎょうさんおるでな。

職人は扱いにくいで。大概自分が正しい思て聞かへんからのう。

技術もないもんがいらんプライドなんかもたんでええねん。

専門職全般においてもそうですよね。
左官職人

他にも作業をしながら快く、しがない若い設計士の話に付き合って下さるどこまでもおおらかで謙虚な心意気に感動しました。ベテランになったときにそうあることができるって本当にすごいことだと思います。ライブ感を大切にされる姿はもはやアーティスト!

久住章氏などをゲストに迎え、定期的に伝統技術を伝えて行くための講習を開いておられるみたいなので、またタイミングが合えば参加させてもらおうと思います。

ちなみに、泥団子を磨く行程で使う瓶はなぜか小山ロールのプリンの瓶が一番良いそうです。

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