Tip41: サッシを取り付ける

解体現場の応援に行った時にサッシを拾って来た。とにかく全部捨ててしまうというのでもったいない。

取り付けたい窓のサイズより少し大きく壁を切り抜き、

水平垂直を見ながらサッシのサイズに合わせて木で下地を組む。一般に、幅がサッシの取り付け寸法の幅+10mm、高さが+5mm程度が目安だ。ガラスは重量が重く、窓の下の窓台と窓の上のまぐさ、それを支える間柱は45mm以上の太さにしておくのが良いが、今回は軽い窓だったので間柱は少し細いもので代用。窓の外側からサッシをはめ込み釘で固定し、上下左右にビス止め。

外壁をふさいだり、窓枠を取り付けたりしていないが、とりあえずこれだけ。枠を作ってはめるだけで完成だ。大学生の頃は建具まわりの図面は複雑だったので何となく窓や戸の周りは難しいイメージを持っていたのだが、実際に自分で取り付けてみると簡単だった。

サッシとは何者ぞ。

サッシと良く聞くが、ガラスをはめた窓と枠のセットのことを言う。日本ではサッシと言えばほとんどアルミサッシのことを指すのだが、木製サッシや樹脂サッシ、鉄製サッシもある。そもそもサッシはなぜ使うのかと言うと、先述ようにサッシは簡単に取り付けられる上に、防犯性と防水性、気密性、かつ開閉する機能を持った開口部を安く実現できるからだ。ただ、アルミサッシは見た目がいかにも既製のサッシ感が出てどこの家も似通ってしまいがちだ。内側からは見えないように隠せたりするのだが、外からはどうしても目立つ。木製サッシなどはとても自然に調和して良いが、価格が高い。そこで考えるのはサッシを利用しないで窓を作ることはできないのかということだが、開閉しないものであれば、サッシ以外の選択は無いこともない。はめ殺し窓であれば、気密性やメンテナンス、施工性をそれほど気にしなければガラスだけを発注して自分で施工するのもそれほど難しいことではないと思う。要は、ガラスの壁が作れれば良いのだ。そもそもアルミサッシは加工しやすいから工場が作っていて、安く買いたい利用者がいるから日本でポピュラーだが、熱を伝えやすいため結露が起きやすく、海外では樹脂サッシなどがポピュラーだ。近年は二重窓のペアガラスが多く使われているが、ガラスの断熱性能を上げているのにアルミ部分が熱を伝えてしまっては本末転倒のような気がする。どこも同じ、量産品のサッシに頼ってばかりいるのもデザイナーとしては気持ち悪いので後日取り付けるメインの窓ではそれに抗ってみようと思う。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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