Tip58: フェンスを立てる

庭を造るのと平行してフェンスを立てた。フェンスを立てることで転落や侵入の防止はもちろん、作り方によっては周辺との良好なコミュニケーションを築くために視線を通したり遮ったりすることもできる。まずは図面を書いてどんなフェンスにするか決めていく。フェンスが決まったら擁壁を工事してくれる業者に図面を渡し、柱を立てる位置に角型のボイド管を入れてコンクリートを打ってもらい、柱穴の空いた擁壁をつくってもらった。隣地との境界は隣地所有者との関係性を考え、自分で工事しないことも時には有用だ。

柱を立てよう

用水路の工事のときに立ててくれた擁壁には柱穴が無いので、擁壁裏に穴を掘って下に砂利をしいて叩き、高さを揃えて穴の空いた400mmの束石を置き、土を叩いて埋めて据えたら穴に柱を立てていく。柱は抜けるように、アルミの角柱のみを頭60mm程度を出した状態で200mm程度コンクリートで埋め込み、アルミ柱の厚み分の2mm木の周囲を切り欠いたものを差し込むようにした。擁壁が曲がり、高さ方向にも斜めに桟木を打ち付けないといけない部分はなかなか悩ましい大工仕事となったが擁壁面からフェンス面のセットバック寸法を揃えて、現場合わせでなんとか納めることができた。コンクリートを埋めるときは周りが汚れるのでマスキングも忘れずに。施工中は柱が振れないよう、単管を組んでクランプで一日固定しておいた。アルミの土台以外は全てイペというハードウッドを使った。すべて頂き物なのだが、やはり木はあたたかみがあり周囲の自然環境に調和して良い。

フェンスを組もう

柱が真っすぐ等間隔に立てられたら、ほとんどできたも同然。柱に桟木を上下2本つなぎ、それに仕上げの板をビス止めしていく。ハードウッドにビス止めするときは必ず下穴を空ける必要があり、ビスによって決められたドリル径のものを使い、ビス頭分も同時に切り欠けるウッドデッキビスなどと呼ばれるものにドリルストッパーを取り付けて穴を空ける。ハードウッドは硬いので少し高価でもウッドデッキ用等と書いてあるビスとドリルを使うのが良いだろう。板同士の隙間は擁壁の高さが変わる部分で板を切り欠かずに並べ、かつ45度以上振った位置からの視線は抜けないという条件から逆算して決めた。厚みのある板を縦張りする場合、1mmの間隔でも視線の抜け方が大きく変わるため、よく考えるべき。少し隙間をあけて順番に板を張り付けていけば、風や音を通しつつ、見る角度によって視線が抜けたり見えなくなったり、やわらかな壁の完成である。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

くわしく見る

お問い合わせ




2021年3月から岡山県加賀郡吉備中央町の山林を譲り受け、セルフビルドで改修中。見学お手伝いは大歓迎!詳細は078-220-7211 (cott)またはこのメールフォームにてご連絡下さい。

More Stories
Tip54: トレーラーを引き取る