ホースの先を絞ったら勢い良く水が出るが、その圧力を高めて洗浄をすることが高圧洗浄だ。ただ水を勢いよくかけているだけなのだが、工業に利用されている高圧の水では鉄や石を切ることだってできるというのだから驚きだ。柔らかいはずの水が刃物に匹敵するものになるというのはまさに技術の進歩の賜物だろう。今回はそこまでの高圧ではないが、汚れを落とすための洗浄を家庭用高圧洗浄機で行った。
洗浄するのは屋根の上のセメント瓦で、劣化して塗装がはがれてしまっていたので放っておくと雨漏りの恐れがある。それを防ぐために再塗装が必要で、塗装の下処理として高圧洗浄機が役に立つ。洗わないで塗装すると、塗料の載りが悪く、はがれやすくなる。ホコリのついた場所にテープを貼ろうとしてもホコリばかりが付いてすぐに剥がれてしまうのと同じようなことだ。
屋根の上のバケツに水を溜めてみた
今回は屋根の上に洗浄機を置いて洗浄するのだが、問題は水の供給だ。水道の圧力は屋根の上まで水を揚げるのは井戸水を汲んでいるポンプのスペック上危ういのと、ホースが届かない。屋根の下くらいにタンクを置いて吸うのも洗浄機のスペック上難しい。(DIY用の高圧洗浄機は高低差1メートル以上は水は吸えないらしい。)そこで、一度水を屋根の下のバケツに貯め、そこから水中ポンプで屋根の上のバケツにポンプアップし、屋根の上の水を使って高圧洗浄する作戦とした。
高圧洗浄器を使ってみる
屋根の上に道具類をあげたら後は道具の使い方の話だけ。溜めた水を使うときは呼び水として給水側のホースを高くして洗浄機からホースの中を水で満たし、ホースの先を水に沈める。あとは洗浄機のトリガーをひくだけ。
至近距離で水を当てるとおもしろいように綺麗になっていく。溜め水を切らせるとまた呼び水をしないといけないのでたまにバケツの中を見るのも忘れずに。
高圧洗浄機さえ買えば誰でもできる作業なのだが、水で濡れた屋根の上で作業する場合は危険を避けるための業が必要かもしれない。Tip27: 単管を組むでやったように単管を組んで外壁周囲に足場を建てられると一番良いが、資材がなく費用がそこそこかかるので屋根より高い木にロープを2本結び、それを命綱にして落ちないように作業を進めた。ただ、家庭用の洗浄機だとかなり至近距離から洗浄しないといけなくて瓦1枚20秒くらいかかり、3枚で1分、合計720枚で240分、4時間かかり、休憩や準備、貯め水の補充、棟の瓦を含めると朝イチから夜までの仕事となった。