Tip15: 石を切る

石は硬い。

これまで木、鉄を切ってきたが、最後は石だ。

石を切るために使うのも鉄を切るときに使ったディスクグラインダーを使う。ただし、鉄で切る刃で石を切ると、ものによっては切れないことはないが、刃がすぐにぼろぼろになってしまうため、刃をダイヤモンドカッターのものに交換して使う。今回は基礎を新設する場所のコンクリートをはつる前に余計なところを壊してしまわないよう、土間コンクリートやタイルの縁をきるのと、外壁の一部を内部に取り込んだため不要になった外壁のモルタルを切るのに使った。

木を切る経験しかしていなかった頃は、コンクリート打ちっぱなしの壁を殴っても鉄パイプで殴られても痛いので、石も鉄も同じぐらい硬く、素人ごときが手に負えるものではないと思っていたのだが、グラインダーで切り出してみると、鉄よりも石が手強いことを知った。むしろ石ならハンマーで叩けば割れるが、鉄はそうではないので逆かとすら思っていたぐらい素材に無知だった。大学の建築学科ではそんな事も学べない。石の場合は木とは違って直接手を触れても固さがどれほどなのかきちんと理解はできなかったのだが、道具を使って実践する事でようやくなんとなく理解した。なお、固さに比例して刃の値段もあがる。鉄を切る刃は数百円で売っているが、石を切る刃はひとまわり厚みが違う分値段がひとまわり違い、ダイヤモンドカッターというものもあって、そちらは値段が一桁違う…。

作業自体は鉄を切るときと同じで、石を削るように切っていく。単純作業だが、ダイヤモンドカッターの刃の回転工具なので危険度は高い。刃の回転する推進力で工具が予期せぬ動きをせぬよう、原則として刃の回転方向に逆らう方向に動かすと安全だ。鉄のときのように火花は散らないのだが、あたり一面真っ白になるくらい粉塵が舞うし石の破片も飛んでくるのでこの作業が好きな人はいないと思う。鼻をかむとティッシュは真っ黒。おまけに全身真っ白になり20歳ぐらい老けてしまう。誰かがいる時は水をかけながら作業すると粉塵は飛ばないのだが、そんなに余裕を持って作業ができることは実際あまりない。作業の後に人と会う予定があるときは、作業を終える時間は風呂に入る時間を入れて計算しておくべきだろう。

裏山を伐採したら、日が良く当たるようになり、リスが出現!仲良くなれると良いのだが。

(2023.2.20追記)

ディスクグラインダーだと切れる深さが数センチと浅く、地面を切るなど、もっと深い穴が欲しいときは大きいカッターもある。今使っている電動のカッターは305mmのダイヤモンドカッターを付けていて、100mmの深さが切れる。だが、刃が2万円以上…。今回は電動のものを入手したが、燃料を入れて使うエンジン式のものやバッテリー式もある。また、粉塵が尋常ではないくらい出るのだが、粉塵が出ないように水を出しながら使える湿式と呼ばれるもの、刃が丸ごと入ってかなり深く切れるものなど、いろいろあるので相当迷った。やりたいことや使いたい場所や使用頻度、予算と相談して選ぼう。

丸い刃がついていて回転で切る丸鋸と似ているが、刃の回転方向が逆で引きながら切っていくことに注意。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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