Tip9: 鉄を切る

前の記事でさらっと「鉄筋を入れる」と書いたが、そういえば鉄筋をその長さに合わせて切る必要があったので、それも業のひとつとしておこう。

鉄を切るのはグラインダーと呼ばれる電動道具で切っていく。スイッチを入れると刃が高速回転するだけの単純な工具だ。ある程度の太さまでであればペンチの親玉みたいな大きなハサミで切れるのだが、1cm、あるいはそれ以上になってくるとそれが難しい。鉄筋を切る時は鉄筋カッター、鉄パイプを切るときは、まわし切る専用のパイプカッター等もあるのだが、いろいろな鉄をオールラウンドに切るためには電動工具で火花を散らして切る必要がある。

鉄デビューのハードル

鉄を火花を散らして切ったりしたところをテレビで見たりするが、それを見ると専門性の高い危険な業で特殊な技術や工具を使うのだろうと思うかもしれない。私にはそのイメージが強くあり、私が鉄デビューしたのは、木工に親しんで7,8年ほど経ったぐらい、1ミリ以下の誤差で木を切れるほどまでにDIYを繰り返した後であった。おそらく大学の卒業制作で作ったツリーハウスの仮足場をつくるために鉄の単管で足場を組むのに鉄パイプを切ったのが初めてだったように思う。卒業制作で建築を専門としない友人を集めて作ったので、友人に火花を散らす危険な作業をさせる訳にはいかないと思ったのだろう。高速切断機と呼ばれる、言わば、卓上のグラインダーが家の倉庫にあるので父に使い方を教わって、気合いを入れて堂々と、内心おそるおそる切ったように思う。そして実際に切ってみるとそれほど難しいことではないことがわかり、鉄に穴をあけてビス止めをすることなどもすぐにするようになり、鉄に親しんで行った。鉄は引っぱりに強く靭性が大きいと知識では理解していたが、ようやく感覚として鉄の素材感や重さ、ボリュームに対する強度などを知るようになった。その後、鉄よりも硬い石デビューもそれほど期間は空かなかったが、石についてはまた記事にしようと思う。)

鋭い鉄のかすが目に入ったり、火花が何かに引火することもあるので危なくないと言えば嘘になるので気軽にチャレンジしてみたら良いと言うことはできない。調べてみると、手袋を巻き込んだり、キックバックしたりして自分を切ってしまう事故もあるらしく、そこそこ危険な工具らしい。ただ、個人的には思ったほど危なくないと思った。鉄を切る刃はどれほど鋭いのだろうと思うかもしれないのだが、鉄を切るグラインダーが手袋をかすめたぐらいで軍手に穴は開かないし、けがをするほどでもない。(ただし、チップソータイプであればそこそこけがをすると思う。)なぜかと言えば、切るというよりは削るためだ。チップを触ってみるとよくわかるが、鉄を切る刃は子どもに素手で持たせても大丈夫なヤスリの円盤で、それを高速回転して少しずつ削っていくイメージだ。やすりで切れると思えば少し鉄へのハードルは低くなったのではないだろうか。慣れるまでは手でしっかり工具を持ちながらも、切断方向にはほとんど力を入れずに回転の力だけでゆっくり切って行くところからはじめてみると良い。もしくはのこぎりにも金属用のものがあり、それでだと火花や騒音が出ないのでのこぎりで切ってみるところからでも良い。

そうやって切った鉄筋をたてよこ800mm間隔以内でブロックの隙間に入れて、モルタルを埋めたら基礎が完了だ。(写真で基礎から伸びているのはアンカーボルトで、基礎の上に載る木の土台と基礎を緊結するためのもの。)

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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