Tip76: 牽引する

牽引は普通の車にTip53: トレーラーを取り付けるで取り付けたようなパーツを取り付けることで、後ろに台車接続して引っぱれるようになる。一度に大量の荷物を運べるので運送屋さんにはとても便利な方法で、コンテナを運んでいるのが最も身近に良く見る牽引だ。運送業以外には必要の無い特殊な技術のように思うが、実は昨今の農家にも必要になってきている。所属する集落では、米の価格の下落と担い手の減少のために、年に数日しか使わないにもかかわらず高価で場所をとる田植機や稲刈り機、乾燥機などを各家庭で持つ事をやめ、みんなの農地をみんなで大きな機械を買って効率よくみんなで耕作するようになった。そうすると機械が大型化し、田んぼまでの移動距離が増えたため、各田んぼに大型トラクターで台車に乗せたコンバインや田植機を引っぱるようになったのだ。今後、人手不足に拍車がかかり、ますます農家に必要になってくる技術になるかもしれない。

牽引をしてみよう。

牽引は台車が引っぱる車におおよそ付いてくるし、台車と牽引車の間が折れて思ったより小回りもきくので大型トラックと同じように内輪差や尻振りに気をつけていたら良く、その大きさに慣れればそれほど運転が難しいものではない。

ただ、バックが普通の車とは違う動きをするためにとても難しい。

よく言われるのが普通の車でバックする時とは逆にハンドルを切らないといけないということだが、ずっと逆に切る訳ではないのでそう考えると余計に混乱するからそのように考えない方が良いだろう。

それよりも被牽引車である台車を狙った方向に動かす事を考えると、割と何も考えずに運転できるようになる。前進は前の車に後ろの台車が着いてくるが、後進は台車を狙った方向に動かすために前の車で押していく感覚とでも言えば良いだろうか。前進時に台車を押したい方向に後進するために頭を振ってから後進するようにするとハンドルを逆に切ることをあまり考えなくて良いのでオススメだ。そうやってトレーラーの動きに慣れるとすぐに運転できるようになるはず。

牽引免許を取ろう

今手元にあるトレーラーは総重量が750kg以下で免許不要なのだが、当然農作業機械を積む台車の総重量は750kg以上になるので牽引免許が必要となる。

取得方法としては教習所に行くか、一発免許だが、農耕車限定で良いのであれば講習に行って取得する事も出来る。それぞれにかかる費用は以下の通り。

  • 教習所に通うと普通免許所持者の場合、15万円前後。
  • 一発免許だと受験回数 x 4,050円 + 合格時の免許交付手数料2,050円。
  • 農耕車限定の2日間の講習で兵庫県だと5万円。(ただし、なかなか講習自体が少なく、何年も待ったという話を聞く。また、試験日も入れると3日、合格できないとそれ以上かかる。地域によっては農業者の補助金制度がある。)

私はトレーラーを持っていて運転は慣れているので手軽そうな一発免許と言われる方法で技能試験を受けて免許を取りにいくことにした。

免許センターに早速予約をしに行くと、この技能試験はいくら運転技術に自信があっても一度で受かることはほとんどなく、予約時に対応して下さった警察官の方ですら一度で受かる自信はないと、軽く脅された。軽い気持ちで考えていたが、それを聞いて少しは準備しておこうと思い、Youtube動画で勉強した。

牽引免許の試験車両と大型特殊免許の試験車両

試験当日、書類を提出して試験申し込みをし、初回の試験に挑んだ。試験車両は4トントラックと言われてるようなサイズのヘッド車に台車。車両の全長は8〜9mほどとそれほど長くない。逆に短い方がトレーラーの動きが機敏になって難しいらしいが、持っているトレーラーはさらに短いのでそこも問題なさそうだ。4トントラックは運転が慣れているわけではないが、何度か運転した事があり、トレーラーの台車には何も載せていないから後ろもよく見えるのでリラックスして挑んだ。

試験官を助手席に乗せ、試験官が指示するとおり道を走っていく。皆が苦しむ方向転換までを済ませると、試験官から試験終了ですとのアナウンスがあり、コースを半分も走れていないくらいで減点超過で試験終了となってしまった。試験は減点方式で、減点が30点を超えるとその場で試験終了となる。試験の最後にちょっとした講評をもらえるのだが、基本的な交通ルールに対するから理解ができていないので、そこから勉強し直してほしいとのこと。普通免許を取ったのが20年前なので無理は無いかもしれないが、鼻をぽっきりとへし折られてしまった。加えて、初めて運転する車の長さと内輪差、タイヤの付いている位置、慣れないエアブレーキの空荷での踏み方、シフトノブの癖など、きちんと考えて運転する必要もあると思った。

2回目は市販の本を購入し、安全確認の手順など、しっかり本を読み込んで挑んだ。しかし同じように方向転換完了したところで試験終了となった。前と同じ試験官だったので本を読み込んだ事をアピールするためにキープレフト運転を意識しすぎるあまり、寄せ過ぎで大幅減点を食らってしまったようだ。さらに、台車が進路の道路に全部入っていなければ右左折が終了していないので指示器が切れたとしても再度を出さないといけないということなど、本には書いていなかったことも言われ、自信喪失。

それでも腐らず同じミスを犯さないようにすると3回目は順調に行き、あとはコース外周を1/4走れば完走というところで油断してなんでもない左折で脱輪し、大幅減点で試験終了。

コースは覚えておかなくても試験官が案内してくれるので良いと考えていたが、きちんと覚えていないとその場で判断するので焦るしミスも出る。そこで、次はコースも覚えて挑戦した。

午前9時まではコースを歩く事ができるので、朝8時半頃に試験場に到着し、当日に掲示されている今日の試験コースをチェックし、歩いてシミュレーションし終えてから試験に申し込むのが良い。「この左折は案外カーブがきついのでハンドルを切るタイミングをギリギリまで待って。」「この位置で指示器を出して、ここで車線変更。」など、試験中と同じように実際に安全確認をしながらコースを歩く。試験でもそのシミュレーションをなぞるように運転する。4回目はそうやってようやく合格することができた。合格点ギリギリの70点だった。

完走できないと気持ちが折れそうになるが、毎回アドバイスをもらえる。ほんのちょっとのことでの減点が重なって不合格になるので、毎回きちんとアドバイスを聞いて反省して改善する事ができればきっと受かる。Youtubeを軽く見る程度では準備不足で、きちんとコースを覚えて、運転する車をよく観察して、きちんと準備をすることはとても大事だった。

番外編 – 大型特殊免許

なお、農業機械の牽引に使っているヘッド車は大型トラクターで大型特殊免許が必要なのでついでにその免許もほぼ同時に取得した。費用は教習所だと12万円前後、兵庫県の講習だと4.5万円、一発試験の受験料は牽引と同じだが、全体的に牽引よりも若干リーズナブルな感じだ。一発試験を受けた岡山県の免許センターでは牽引は火曜のみ、大型特殊は火曜木曜とやっており、同日受験は不可だったので、火曜牽引、木曜大特というスケジュールで免許センターに通うことに。受験回数は大型特殊についても4回目で合格となった。試験車両は岡山県は後輪操舵式のショベルローダー。フォークリフトと同じ動きをする。レバー等車の操作方法は教えてくれるので心配はない。ただ、初回は操舵方法の異なる中折れ式ホイールローダーのYoutube動画で勉強してしまったため、方向転換で失敗。2回目は車両に慣れていないために手動で戻さないと戻らない指示器の消し忘れやサイドブレーキの戻し忘れなどの減点重なりで不合格。3回目は前回のミスを改善して無事完走し、合格発表を待たされたが、コースを覚えていないがための判断ミスが重なるなどで5点足りず、不合格。4回目ではコースを確実に覚えて挑戦した。発車時にバケットの高さをもう少し高くと試験官の指示を受ける。バケットの下端が50cm以上と思っていたが、アームの一番低いところが50cm以上ということらしい。ただ、それ以外は試験官から言う事は無いと言われ、85点で合格となった。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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