Tip22: 代掻き

前回の記事で田植えについて書いたが、田植えとセットとなる作業が代掻きだ。

代掻き(しろかき)は、米農家しか行わない作業で、米農家の息子である近所の同世代の友人ですら、知らなかったので、普通の人には何のことが想像もできないかもしれないが、代掻きとは耕した田んぼに水をためてさらに耕して土を平らに均すことだ。代とは田んぼのことを言い、その土を掻きまわすから代掻きと、実は何のひねりも無いそのまんまのネーミングである。土を落ち着かせたいのですぐに田植えしてもいけないし、寝かせすぎても土が硬くなってきていけないらしく、通常、田植えの1週間弱ぐらい前に行う。

今はトラクターという機械を運転するだけで仕上がってしまうが、私の曾祖父は、牛に鍬(くわ)を引かせてで荒く土を起こして、柄振 (えぶり)と呼ばれる言わば学校のグラウンドをならすトンボのような道具を使って平に仕上げていたそうだ。昔手作業でやっていた分を機械でするので何十、あるいは何百倍も効率よくでき、便利でありがたい。ただ、うちの小さなトラクターでも軽自動車が2台買えてしまうほどの値段で、うちのように代々伝わる田んぼを引き継いでいる農家たちは普通昔手作業でしていた頃と同じくらの面積の田んぼしか持っておらず、数年ただ働きしてようやく取り戻せ、他にも田植機、稲刈り機など、機械がいくつも必要となるので、いくら兼業農家として働いても、収入はほとんど期待できない。田畑が広がる昔ながらの里山の風景を守りたくても、一般的な家の持っている規模で米農業はお金が得られないので、放置してしまっても仕方がないと言わざるを得ないのが、米農家のリアルだ。

話がそれたが、実際の作業手順としては、全体を耕した後、水を入れながら田んぼの外周を平にすき、しばらく置いて水がまわりにまわってから中の部分もならしていく。畝(うね)ひとつ分ずつ飛ばしでならしていくことで旋回のときのタイヤの跡をなるべくなくしたり、先に畦際を前輪で踏んで水を漏れないように土を固めたり、その人流のその場所に合わせた代掻きの仕方がある。私も自己流のやり方を編み出していきたい。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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