Tip7 :丸鋸で切る

いよいよ解体も終盤。解体するのに綺麗にほぞにはまって外れないところや、釘だらけで再利用のしにくい部材はどんどん丸ノコで切っていくのが早くてきれいだ。丸ノコとは刃を回転させ、材料の上を手で押し進めていくことで真っすぐ切っていく工具で、大工仕事には必需品だ。私の持っている丸ノコは2種類で、大工用に使うものと解体用に使うものがある。そのふたつは製品としては同じものなのだが、大工用はきれいで解体用のものは汚い。なぜそれらを使い分けるかと言うと、解体をしていると雑に扱ったり釘が刺さっていたりするのでそれでベースプレートを引っ掻いてしまい傷だらけになってしまう。ベースプレートは言わば丸鋸本体を置くただの金属製の台なので一見それほど重要に思わないが、丸ノコの命はベースプレート。これがまっすぐなっていないと据えた時にがたがたして線を1ミリ以下の精度で切る必要がある大工仕事には向かない道具になってしまうし、ベースの傷が材料を傷つけてしまうこともある。切断作業を終えて一度置くときは手で握るハンドル側方を下にして置き、大切に扱う。平行ガイドや直角ガイドを使えばさくさく平行と直角を量産できる最強の大工道具になるだろう。

キックバック注意

刃の出を切る材料より少し厚いぐらいにし、切り始めと切り終わりはゆっくりすると切断面がきれいになるとか、切れた瞬間に切断した材が上がったり下がったりしないように切る前に材料の下に置く端材等の台の置き方も工夫するとか、コツはたくさんあるのだが、これも鋭い刃が高速回転する道具なので取り扱いに注意しなければならない。応援に行っている植木屋のお兄さんはふとももをパックリ切ってしまったそうだ。特に、切断時に切断面が下がってくる時は刃が挟まってしまい、刃が回る力で後ろ側に戻ってくる。これをキックバックとの言うが、急に自分が進めたい方向と逆方向に動こうとする力が働くので危ない。どうしても刃を挟んでしまうような状況も解体時にはあったりするのだが、やむを得ない場合は戻ってこないようにしっかり腕に力を入れておくこと。

マテリアルに直接手で触れること

デザイナーは紙や発泡スチロール、薄い木などをカッターでまっすぐ切るが、もう少し厚い木ぐらいまっすぐ切れても良いかもしれない。そのときは丸鋸の出番だ。直接材料を触るとその特性がよくわかる。

解体完了までもうひといき

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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