前回、トレーラーの魅力を書いたが、一応車なので、行政手続きがあり、車検切れの中古車を引き取りにいく時と同じように手続きがとても煩雑だったのでそれもTipsとしてここにまとめておく。とにかく書類が多いのだが、書類はデザインの仕事を独立して行うにあたって必要不可欠。また、必要なタスクが多いのだが、そのタスクを分解してタイムラインに落とし込み、効率的に進めていくことはどんな仕事にも必ず役に立つ。
950登録
まずは通称950登録という方法で牽引する車の車検証にいくらまでの重量だったら牽引してもOKという記載に変更してもらう。牽引される側の車に牽引する車種を登録する方法もあるが、制限の範囲内であればどんなトレーラーを引いても良いという950登録であれば、制限内の重量ならなんでも引けて便利だし、今回のように引き取りに行く場合で自賠責が切れていない時は車検証を先に送ってもらわなくても引き取りに行けて便利だ。軽自動車や軽規格トレーラーは普通車が行く管轄の運輸支局でなく、軽自動車検査協会に行く。
必要な書類は連結検討書と、車検証で、窓口で950登録をしたいと尋ねたらもらえるOCR用紙に記入して待てば良い。連結検討書はトレーラーが何kgまで牽引できるか計算する書類ですごく難しい内容だが、950登録のための連結検討書作成に必要な数値を教えてほしいという問い合わせを車のメーカーにしたら数値を教えてもらえるので、連結検討を自動計算してくれるサイトでその数字を入力し、プリントアウトして持参すれば良い。950登録にかかる費用はなんと無料だ。
希望ナンバーを申し込む
ついでに名義変更時必要な書類(申込依頼書)をGETし、オリンピック限定ナンバーにしたかったので申し込みに必要な情報をGETしにいく。オリンピックナンバーや希望ナンバーなどは制作に日にちがかかるため、車検の日に仕上がるように事前に申し込んでおかなければ車検の日に一緒にナンバーを受け取れない。車台番号がわかれば申し込みができるようなので、まず車台番号を落札者に尋ね、あらかじめネットで申し込みを行っておけば良さそうだ。
ただ、トレーラーの場合は車と違って必要なナンバーは1枚だけなので、誤り防止のためにネットでは申し込めず窓口のみでの取り扱いらしいとインターネットには書いてある。トレーラー購入後、車検証を手に入れてから950登録時に行き、ナンバー申し込みをしておけばよかった。仕方なくナンバー申し込みだけのためにもう一度軽自動車協会に足を運ぶことに。窓口で聞けば手取り足取り教えてくれ、手続きは5分で終わり、その場で発行予定のナンバーと発行日を教えてもらえる。オリンピックナンバー1枚で金額は4155円。なお、その時に聞いたところ、新規申し込みの場合はトレーラーでもネットで申し込みOKと言われた。
自賠責に加入
せっかく足を運んだので、ついでに自賠責も一緒に加入。仮ナンバーを借りるためには自賠責の証書が必要だ。
自賠責の残置期間があるなら名義変更をするということは自賠責で払い込んだ費用を譲渡という扱いとなる。名義変更には契約権利譲渡通知書(売買契約書)と自賠責保険承認請求書(異動承認請求書)に譲渡人と譲受人が記入捺印が必要で、切れているなら車検証か抹消した証明書があればできる。窓口で5,120円を払って25ヶ月加入した。
どこで手続きをしても同じ金額で、近くの車屋でも申し込みができる。軽自動車車検協会の自賠責の窓口ではアメとミニドーナツをもらえて、心温まった。いろいろ教えてもらえて早いので面倒だが窓口も悪くはない。
ETCの再セットアップ
その帰りしなには車屋でETCの登録を牽引ありに再セットアップしてもらう。でないと牽引時、ETCが開かない。これはお店しかできないのでお店に行って以前のセットアップ書類を渡し、950登録後時の牽引可能な総重量を伝える。金額は3000円ほど。牽引登録後でないと牽引ありにセットアップし直すことができないらしいので注意。
車両を手に入れると手続きが多いが、いろいろついでをつくって効率よく手続きしたい。
車検の予約
その後、引き取りに行く日の目処がついたらナンバーができる日以降で車検の予約をする。2週間前からインターネットで予約ができ、午前と午後、それぞれ前半後半の4つの時間帯から空いている時間を選ぶ。あとは引き取りに行くまでわくわくしながら日々を過ごす。
仮ナンバーを借りる
トレーラーを引き取りに行く当日か前日に仮ナンバーを区役所の市民課に取りにいく。車検証(または車検証返納証明書)、免許証、自賠責、750円で借りられる。仮ナンバーを使えるのは最大5日まで、ナンバー返却は期限満了から5日以内なので車両を引き取り次第、整備を早く済ませて、そのまま軽自動車検査協会で車検を受けたい。
引き取って整備する
用意した仮ナンバーや自賠責書類、車検のときに名前を書いてもらう書類を持って、トレーラーを引き取りにいく。今回は灯火不良があったため、電線や工具一式も持っていく。現地で電気の来ていない線を調べ、再結線していく。真夏の炎天下の駐車場が辛い。本当は新車にする予定でこんな作業をするつもりはなかったのだが、納車が期間限定のオリンピックナンバーに間に合わなかったので仕方ない。軽規格のトレーラーは軽自動車と同じ黄色ナンバーだが、黄色ナンバーを取り付けているだけで軽自動車という先入観が入ってしまうのか、なんだか車が小さく見えたりと、車そのものの良さが見れなくなってしまうのが嫌で、どうしても白いナンバーが良かったのだ。3時間で修理を終えて広島から神戸へ戻る。寄り道をしたいところだが、トレーラーを引いていて車が長いため、真っすぐ帰宅。
車検を受ける
トレーラーにはエンジンが、今回買ったものはブレーキさえついていないので車検の項目も少なく、自分で整備して車検に持ち込むことも簡単だ。ボルトの緩みや灯火類を確認したら、工具を持参して予約日に軽自動車検査協会に行く。
申込書などを書き、検査料1400円と重量税6600円を払って書類を提出したら、その書類を持って、いわゆるユーザー車検の列に並ぶよう言われる。神戸では他の車の人はレーン1と2に10台ずつぐらい並んでいるが、トレーラーは「測定コース」という別の列に並ぶ。そちらはほとんど人が並ばないので待ち時間はほとんどなかった。
検査項目はあまり無く、指示されたように灯火類を点灯したら各部金槌で軽く叩いて寸法を測って5分もかからない。
最後にやさしく説明してくれるのですんなり終わったかと思いきや、不合格だった。何やら番号灯が直接目に入るからダメらしい。トレーラーは何もカスタムされておらず、出荷状態のままなので、この辺の基準は試験官にもよるのかもしれない。仕方ないので試験場を後にする。不合格になったら車検証はもらえないわけでもなく、直してすぐ持ってくれば良い。同日であれば手数料も不要だ。
とりあえず通すためにはどういうふうにすれば検査に通るかヒントをくれたりもする。「プラスチックの薄い板などで灯火を覆い、ねじで共締めを行えば良い」と言われたので近所のホームセンターで材料を買ってきてその通りに加工した。トレーラーの列は誰も並んでいなかったので戻ってきたらすぐ見てもらえた。
車検が終わったらまた窓口に並び、車検証や予約していたナンバーをもらってそこで付けて帰ってくる。帰りしな役所に寄って仮ナンバーを返すのも忘れずに。軽のトレーラーは車庫証明義務はないが、特定の都会の場合車庫届出が必要なのは軽自動車と同じで、神戸市は必要なのでまた近くを通ったときに警察署に駐車場所の地図と500円を持って行けば、後日発行してもらえる。
今回整備や引き取り交通費を除いて乗り出しまでにかかった金額は車と比べて割安なので、気軽な気持ちで牽引デビューしてみても良いかもしれない。
自賠責5120円
オリンピックナンバー4155円
仮ナンバー750円
ETC再セットアップ3000円
検査料1400円
重量税6600円
車庫届出500円
——————計20775円
維持費で言えば
軽自動車税年3600円(4月1日時点で車を所有している場合必要)
重量税年3300円
自賠責年2560円
検査料年割700円
——————10160/年
(231128 追記)2年後、再度車検が切れるまで待って再度ユーザー車検に臨んだ。というのも持っている牽引車とトレーラーはどちらも軽自動車で2年ごとの車検となるが、同じ日に車検が受けられると楽だと思ったためだ。今回は2度、軽自動車検査協会に足を運んだ。まずは軽自動車車検協会に行き、普通に軽自動車の車検を受けて車検を更新。同時にトレーラーの自賠責を車検を受けた車の新しい車検証の期間が始まる日からの日付で取得。自賠責保険証を持って役所で仮ナンバーをもらっておき、その日にトレーラーの車検を受ける。これで次回からは一度に検査を受けられるようになった。