Tip45: 蓄電池を交換する

庭に蓄電式のソーラーライトをたくさん取り付けた。昼は充電し、夜になると勝手に光ってくれて防犯性も上がるし、気楽に外に出られてとても便利だ。最近はネットで格安のものが多く出回る。品質はいまいちのものも多いが、様子見で買ってみて良さそうなものを多く買い増した。ただ、難点として経験上数ヶ月から3年程度で点灯しなくなる。例えば3000円のものが1年持ったとすると月300円弱の維持費と考えるとそんなにお得感はないかもしれない。ただ、電池交換ができれば話が変わる。

ソーラーパネルの裏のボックスを開いてみると、蓄電池が入っている。長期間点灯していたものは大抵この蓄電池を交換すれば点灯するはず。この手の製品はインターネットのレビューを見るとすぐ点灯しなくなったというものも多く、壊れやすいイメージがあるかもしれないが、安物で壊れたから点灯しなくなるというよりは価格を安くするために始めに入っている蓄電池が安物だからだと思う。

今回の蓄電池のサイズを測ってみると、直径18mm、長さ65mmと、普通の単三電池よりひとまわり大きいし、単二電池よりも細い。そこで、テスターのダイヤルを直流電圧測定モードにし、端子を電池のプラスマイナスに当てて電圧を調べてみる。すると3.6Vを指した。リチウムイオン電池は3.7V程度で、電池残量が減って電圧低下を起こしているものだとすれば、おおむね一致する。手元にニッケル水素電池ならあったが、それは1.2V程度程度で直列に3個つないで同程度のパワーが生み出せる。理論的にはニッケル水素電池3個でも良いはずだが、箱の中に電池3つは入らないし、リチウムイオン電池を用意することにした。手元にあるニッケル水素電池は1900mAhで3個直列で3.6V、1900mAh、新しく買ったリチウムイオン電池は3.7V、3000mAhなので容量を考えてもリチウムイオン電池が良い。

早速通販で注文すると翌日には届いたので、電源を外して電池を取り替える。外す時に端子も一緒にもぎ取ってしまったので少し線をはぎ取って、電気工事用の絶縁テープでぐるぐる巻いて接点に直接固定。ソーラー発電のライトはソーラー部分が光を受けなくなると勝手に点灯するタイプのものが多く、日中に動作確認するにはソーラー部分を壁に押し付けるなど隠せば良い。すると、めでたく点灯。

若干右の電気が弱いが、それははじめからなので、とりあえず良いだろう。電池を取り外して取り付けるだけの簡単な作業だったが、リチウムイオン電池はプラスマイナスを間違えると逆に充電されて液漏れ、下手すると発火につながるそうなので、きちんとはじめに繋がっていた線と端子を確認して作業すること。不安ならテスターで確認する。あとは、リチウムイオン電池はサイズがいろいろあり、特に確認せずに買ったらボックスに入らない大きなものを買って返品することになってしまったので、サイズ確認はとても大事。

ついでに他にもだいぶ前に点灯しなくなったソーラーライトがあったのでボックスを空けてみると、こちらは単三のニッケル水素電池だった。電池を付け替えても点灯しない。よく見ると回路も雨の侵入で錆び付いてしまっていて、元通りハンダ付けすれば直せないこともないかもしれないが、難易度と労力を考えやむなく諦めることに。

こうやって作業をしてみると、ソーラーパネルが比較的大きいものさえ選べば蓄電池の容量で多少の製品の不具合をカバーできると気付く。今回分解した2つの製品にはじめに入っていた電池はどちらもコスト最優先の良いものでなかった。それを良いものに替えたとして、十分に充電してやるには光を大きく受ける面があるソーラーパネルがあると安心だ。もしかするとソーラーペネルだけ交換することもできるかもしれない。新しいものばかり買っていると自分なりによりよい環境にしていく発想に乏しくなっていく。

新しいものに振り回されない暮らし

インターネットでは安くてすぐ壊れたりほとんど使えないような製品も多いが、最近はだんだん安くてもそこそこいい製品が出てきているように感じる。手入れするより買い直した方が早いし手間を考えると安いと思うこともよくあるが、ちょっとしたことで使えなくなっていたりすることも多いので、安いからといって何もかも使い捨てにしないように手入れをきちんとしてやりたい。買った方が安いけど、毎回インターネットの他の人の口コミを見たり、数多ある製品の中から選ぶのも面倒だし、いつまでたっても新しいものに振り回されるのもうんざりする。暮らしには新しいものでなく、手になじんだもの、ちょうどいいものがある方が心地よい。あとは安いのは嬉しいが、その値段で買うことで虐げられている人がいなくて、犠牲になっている環境がなければ良いなと思う。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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