人工物であるデザインに時間を取り入れる
庭付き一戸建ての庭に芝生。よく憧れのように語られるが、建物に植物を植えることによって空間に自然という人工物の対照的なものが共存することになる。
植物は生長したり、風になびいたり、時間と共に様相が変化し、空間に時間が宿り、彩りが生まれる。
植物には建物そのものに比べて日々の管理が必要だが、人の手を入れる時間も含め、人の人生にも彩りを与えてくれると思う。
芝を張ろう
芝生は水はけの良い土壌を好む植物で、水はけが悪いと根腐れや病気になる。
まずは水はけを良くするために地下に砕石を入れて排水を改善し、表面排水もできるよう、家から道路に向かって1/50下がっていく勾配を作った。
まずは目標の仕上がり高さを決め、レベラーの印を建物の基礎や適宜打ち込んだ杭等にマスキングテープを貼って写し取った。その基準を見ながら既存の少し粘土質の土を家から道路に向かって低くなるようにすき取った。雨水管や排水管があるであろう位置は先に優しく掘って傷つけないようにしたらあとは黙々と重労働。重機が入れられたら楽だが、人力でやるのと機械でやるのとでは微妙に人力の方が安く上がる規模だったので、腰に負担をかけないような作業姿勢を意識しながら作業を進めていく。道路側にはフェンスをするための束石を置けるよう、道路側の基礎はカッターで綺麗に切り取った。
その上に均等に砕石を8cmほどばらまく。ダンプで広くない全面道路の通行を塞がないよう、ダンプの石を道路にはみ出さずににばらまけるよう、角度をつけて敷地に入り片方の後輪タイヤを道路より25cmほど低い敷地に入れたかったので、土嚢とコンパネでスロープを事前に作っておいた。砕石が終わるとまさ土12cmほどの分量を同じように運んでもらって堆肥と肥料をスコップで混ぜて土壌改良をする。このへんもただの肉体労働だが、搬出する作業がないので土を掘って腰の高さまで持ち上げなくて良い分かなり楽だ。ある程度均等に配れたら目印を付けた線を基準にまっすぐな棒で勾配をしっかり作ってならした。下地が命。
次に砂を2cmばらまき、プレートコンパクターで転圧し、再度勾配を整える。最後に芝生の苗を千鳥状に並べていく。芝生一枚ずつにも若干厚みの違いがあるので凹凸がある所は芝生をめくって砂で高さを調整。芝生が張れたら芝同士の間と全面に行き渡るように目砂をまく。
最後に水やりをしてなじませたら完成。秋に植えたので青々とした仕上がりは翌春のお楽しみで。

使った芝生の品種は草丈が低く省管理で緑が濃くて美しいTM9というトヨタ自動車が開発した品種。
あとは管理だが、植えた直後は秋か春に植えた場合は数日おきに、1ヶ月ほど水やりをし、それからは様子を見ながら水やりをする。夏は毎日早朝か夕方に水やりをする。
しっかり根が張ったら天気の続く日にたまに水やりをすると良い。それよりも芝刈りが芝の管理のメインとなる。ほったらかして芝は伸ばしすぎて刈るとダメージを与えてしまうので2〜3cmくらいに維持するなら、1.5倍くらい、5cmになるくらいまでの高さになったときに刈る。刈り込んで根元まで日の光が届き、通風することで健康な芝が維持される。伸びたら刈るのを繰り返していたら梅雨前頃から秋にかけて5回くらいは芝刈りが必要になる。(このTM9は半分くらいで良いらしい。)あとは芝生にスパイクで穴を開けたり、肥料をやったり、目砂を入れたりなども適宜行う。













