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茅の葺き替え
茅の葺き替え
築330年のN家住宅葺き替え現場へ。どうやらここのお父さんと遠い親戚だそうで、1時間程話し込んでしまった。

そんな達者な元大工のお父さん。このお父さんの何がすごいってこれだけの大きさの屋根を葺く茅に加えて、販売すると屋根の工事費を賄える量の茅を毎年刈り続けたのだ。つまり現代において一切お金をかけずに茅葺き屋根を葺き替えているのだ。いまどき田舎にもなかなかこういう親父はいない。それもそのはず。モットーは「自力更生」だそう。しっかり胸に刻もう。
皺と年輪
賞もたくさんお持ちの優秀な大工さんだけあって、ご自身で山から切り出した松の板目の美しさについて語ってくれる。どちらにもたくさんの味わい深い皺が刻まれている。
茅葺き
文化財の茅葺き
しかもほかにも二棟の文化財。
葺き替え担当は初の淡河の現場を大事にしたいと意気込んでおられる淡河茅葺き屋根保存会 くさかんむりさん。
親方の相良さん曰く、一緒に作業をしていると、野良歌が体のどこかしらから響いてくるそう。いまは歌えるひともそうはいない、棟上げの歌もご存知だそうで、竣工したらそれを聞くのが楽しみだ。実に達者なN家12代目将軍でした。

「そんな撮りよったらフイルムがもったいないがな。」
「いやいや、これはデジタルなんですよ。パソコンの画面で見て確認するからフイルムはいらんのですよ。」
「あーわしゃそんなもんようわからんわ。」
だそう。
また写真を持って伺おう。
永福家住宅葺き替え現場

右を見れば左は見えないし、左を見れば右は見えない。
ぐるっと見回してこそ見える景色もある。
景色がどんどん流れていくものだからぐるぐるぐると見回す人が多い中で、一点を見つめるひとたちがいる。
一点を見つめる強さや美しさに日々触れていよう。

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くさかんむり 12-01-28 (土) 23:26