Tip50: 屋根を塗る

直接雨を防ぐ屋根は家の中で最も痛みやすい場所で、家を長持ちさせるためには必ずメンテナンスが必要となる。鉄板屋根なら塗り替えるメンテナンスが必要だ。屋根は将来的に葺き替えてしまおうと考えていたので雨を防げていたらとりあえずそのままで良いかと放置してきたが、先日煙突掃除をするために屋根に上がった際、いよいよ錆びて穴が開いてしまっている所を1箇所見つけてしまった。そこで、屋根の耐久性のため、重い腰をあげて錆び止め塗料を塗ることにした。

まずはケレンといって、汚れを除去しやすりでこする作業。錆の除去と塗装が均一に乗るように目荒らしを行う。塗るだけと思いきや、塗る前の作業の方が手間がかかるし、仕上がりはこの作業をきちんとできるかで決まる。錆を完全除去するとものすごい手間になるし鉄板を削りすぎて穴を開けてしまうのは嫌だったので、手作業で浮き上がっている錆やはがれてきている塗料を重点的に落としながらも全体的にもやすりがけをしていく。屋根に上がる前は寒くておっくうだが、直射日光とひたすら力一杯にこする運動のため、冬だが暑い。この作業は思った以上に手間がかかり、2人工ぐらいかと思いきや、3.5人工ほどかかった。

塗料をシンナーで薄めていよいよ錆び止め塗料の塗装開始といきたいところだが、ケレンから1週間作業できなかったためまた錆が浮き出してきており、その前に全体的にかるくやすりがけ。だらだら作業をしているとやすりがけ地獄にはまるので塗装はまとまった日程を取って手早くするのが良さそうだ。ローラーで塗りきれない隅っこを刷毛で先に塗ってから、ローラーを走らせる作業。塗ったところを踏まないよう、バックして塗っていく。屋根の両面塗るのに2人工。冬は日が落ちると露が落ちてくるので遅くともその30分前には作業を終えるのが理想だ。朝も9時か10時にならないと屋根が乾かないため作業できる時間は7時間ほど。昼ご飯を食べる時間がもったいない。本当は1週間以内にこの上から上塗り、または中塗りをし、もう1、2回塗装をして仕上げるが、塗装屋の友人に尋ねると耐用年数が落ちてよければ錆び止めだけで仕上げても良いとのことだったので、1度塗りで力尽きさせてもらう。

屋根は遠景からの印象を大きく左右する

ボロい印象がぐっと引き締まった外観となった。屋根は平屋などの高さが低い建物や勾配がきつい場合、遠景からはよく見え、面積が広いので遠景からの建物の印象を決める大きな要素となる。逆に近くからはそれほど見えないので素人施工でも粗が目立たずそれなりに仕上がって見える。落下防止に十分対策ができるのなら屋根のペンキ塗りはDIYにオススメである。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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