Tip39: 換気扇をつける

換気をする、つまり空気を入れ替えるには窓を開けてやれば良い。ただ、不便なこともあって、窓を開けっ放しだと虫が入ってくるだとか、外出直前に風呂に入れば、窓を開けっ放しにすることになり不用心だとか、冬なんかは寒いだとか、・・・。虫問題には網戸を設置、防犯問題には窓の外に格子を設置するか、風呂は夜以外入らないようにし、冬に寒い問題には着込んで耐え忍べば良い。ただ、現代人は、電気を使えばより便利になることを知っている。

台所は壁についていた扇風機タイプのものを、コンロの上に設置するタイプのものに、風呂は天井に設置するタイプのもの、しかも時間を自由に設定できるタイマー付きに。便所は同じくタイマー付きで壁付きにした。どれも形は違えど、基本的には換気扇の器具と外をつなぐダクトを通し、配線をすれば良い。丁寧な説明書もあるので、よく読めば電気工事以外は意外に簡単だと思うし、何なら電気工事もそんなに難しくない。

まずはキッチンから取り掛かった。外壁にハンマードリルで小さな穴をいくつも開けて大きな穴にする。ホールソーというドリルの先があれば、一度に綺麗な穴が開くのだが、1万円以上するので断念。小さな穴を繋いで大きい円にしていく。まず開けたい円の中心点の小さな穴を開けておき、それぞれ外壁側からと内壁側から穴を開けることで、壁表面の割れを防止。最後にグラインダーで整形すれば綺麗に開いた。壁の穴からフードの上まであらゆる方向に伸び縮みし曲がるフレキシブルのチューブを通して隙間はアルミテープで防ぐ。電源はコンセントタイプの換気扇で前面で操作するからスイッチもいらず、フードの上にコンセントを配線して完成。

次に便所に換気扇を新設する。同じように壁に穴を開けて、外までパイプを通し、そのままそこに排気する。壁付きだとダクトもいらず、簡単。電源はコンセントにプラグを差して使うタイプのものと、直接線を配線するものがあるが、コンセントを見せたくなかったため、直接配線するタイプを選んだ。パイプの右下に穴を開けて屋内配線に使うVVFケーブルを通し、その線を壁の中や天井裏を通してスイッチや照明と結線して完成。

最後は風呂だ。ユニットバスは天井にもともと穴が空いているのだろうと思いきや、自分で穴を開ける必要がある。換気扇によって取り付けサイズが違うので、それもそうだ。今ついている45cm角程度のものは点検口で、換気扇の穴にしては大きすぎる。

説明書に書いてある取り付け寸法240mm角のサイズに天井をグラインダーで切断。相変わらず密室で火花を散らして粉塵を浴びながらする作業は好きになれない。大工さんも大変だと思いきや、大工さんに聞いてみれば、ユニットバスは工場で換気扇の穴が切られた状態で入ってくるらしい。それもそうだ。

天井の下地に35mm角程度の角材で取り付け寸法と同じサイズの枠をつくり、その下地にビスを打って下から入れた換気扇ユニットを固定。換気扇に結線したケーブルをスイッチ、照明、コンセント等と併せて結線すると、タイマーで設定できる換気扇の完成だ。

風を操り、快適な環境をつくる

換気扇では電気の力でファンを回して風を起こすことができるが、それはあくまでも補助的なもので、自然の風の通り道をつくってやるのが大事だと思っている。昨今は、夏は冷房、冬は暖房を使って熱を逃がさず外気をあまり入れない閉じた家の作りが主流だが、なるべく自然の力を生かすのが省エネだし、いつも空気が新鮮に保たれる。何より虫の音、風のにおい、気まぐれな風の強さなど、自然の風が入ってくるのはとても気持ちよく、うちのように木々に囲まれた環境にある場所では風が通れば昨今の暑い夏でも冷房なしでも過ごせる。

風を通してあげるにはその土地での風を読んだり、気圧や温度差を考えて窓を設計することだが、いつでもできる方法は、風の入り口と出口をきちんと考えて窓を開けてやることだ。風も道も入り口と出口が必要だ。「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」「冬はいかなる所にも住まる暑き頃わろき住居は堪えがたき事なり」兼好法師の徒然草で有名な一節だが、昔の人が心地よいと感じた環境は、今も同じだと私は思っている。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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