Tip37: 可変棚を作る

食器や、見た目の良いキッチン用品を見せながら収納する棚をつけた。

今回付けたのは可変式の棚で、既存の棚柱という金属のパーツを建物の構造体に打ち付け、その柱にはめるブラケットで持たせるようにする。ブラケットというのは棚受けのことで、省スペースで高強度なものが使いやすいので金属製のものがほとんどだ。壁から片持ちで重量を支えるため、棚に柱が必要なく、垂直ラインの存在を減らし、水平ラインを強調する棚とすることができる。壁に直接ビスを打ち付け固定してしまうタイプのブラケットもあるが、正面から見える垂直のパーツが長く太くなって目立ってしまうので、個人的に見せるタイプの棚に使うのは好きでない。だからと言って可変型のブラケットも上から下まで壁に固定した金属の棚柱が見えてしまうのだが、機能と形状の合理性のバランスが取れているし、壁と同じ色に塗装して壁の中に埋め込めばそこまで気にならない。

取り付ける壁の幅は1900程度で、ブラケットは板がたわんだり壁の一部に力がかかりすぎないように900mm程度以内の間隔にしておきたいが、左右を少し片持ちにするとすれば、3カ所で支えると30mm厚の棚でキッチン用品には十分すぎるだろう。キッチン用品を置く程度であれば壁の下地に12mm厚の合板を張って、その上に棚柱を打ち込んでも持つだろうが、子どもがぶら下がったりすれば棚が倒れてこない保証はできないので、命を守るためにも壁の中に入った柱にビスで打ち付けておきたい。欲を言えば柱の上、できれば上下を金物を使ってきちんと土台と梁や桁に固定しておくと良い。上下がうまく止まらなければ通常30mm幅程度の間柱を倍ほどにしておけば言うことなしだ。

今回は間柱が変な位置にあったため、間柱を追加するところからはじめた。壁の中にちょうど良い長さの玄関の解体で出た土台があったのでそれを棚柱を取り付ける柱として追加。寸法はまず壁の中心を割り出し、板を左右250mmずつ片持ちにし、残りの寸法を決めた。

棚柱を切って同じ長さにして柱に取り付け、壁を張り、棚板をブラケットの上に置き、ブラケットと棚をビス止めすれば完成。壁の塗装はまた後日。

ひょんなご縁から理想的な環境の古民家に出会ったデザイナーが、その日々の中で身につけた業を、日々の暮らしとともにアーカイブして行くウェブサイト。100の業が溜まったら、cotocotoというタイトルで誌面化予定。

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