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棚卸し

cottの最近の紙媒体のデザイン
これまでつくったものをひとつずつファイルに入れていったり、余裕がある時にはポートフォリオを更新したりしながら、定期的に自身の仕事を振り返ることをいつからか「仕事の棚卸し」と呼んでいる。いつどのようにそう呼び始めたのかは思い出せず、そもそもそういう言葉があったりするのか定かでないが、とてもイメージしやすい呼び方だと思っている。今宵はデザインの仕事が落ち着き、明日から農繁期休業ということで、その仕事の棚卸しをしていた。というのも、アメリカ大陸をデザイン行脚していた頃と、そのしばらく前の分を合算してみると、丸2,3年分もの仕事を棚卸しできていなかったのだ。何事においても反省して次に生かすことは当然とても大切だが、それを怠っていたのだから最悪である。

反省といえば、いつも納品が完了するかしないかの時に思うことはたくさんある。例えばもう0.05mm文字を太らせておきたかったとか、色数を抑えたかったとか、撮影の構図にもっと空を入れておきたかったとか。何なら校正を重ねすぎて提案した時のコンセプトがもはや消えてしまってるけどなぁと思うことだってある。そんなふうに毎回小さな反省をしたらそのままあるいは同時進行で次の仕事に向かう。大きな反省をしている時間はない。そしてそれを繰り返しているからか手応えを感じられず、自分も仕事に慣れてしまって、ちょっとずつこなすようになってきたのかなぁと思っていた。しかし、全部並べて改めてこうやってみて見ると、そうではないなと思い直すことができた。それぞれの仕事で手抜きをせず、きちんと考え抜いていたのだ。

例えばこの仕事は制約がきつくて何もクリエイティブなことができなかったなぁという仕事を見てみると、その制約の中をうまくくぐり抜けた上でクリエイティビティが見えるし、最後まできちんとコンセプトを通せたなという仕事はもちろん、超特急納期、あるいは激安の予算のため突貫で仕上げざるを得なかった仕事だって、よくここまで仕上げたなと思わず感心してしまった。月日を経て、いい意味で客観的に見られるようになったのだろうか。

いやいや感心している場合ではない。今いる位置を再確認して再起動だ。次の棚卸しはもう少し短いスパンで予定をしつつ、引き続き、手を抜かず、気を引き締めていきたい。

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