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Custom Made

近所の出身校が140周年ということで、垂れ幕を納品してきました。
そういえば私のときは120周年。
なつかしい。
神戸市立淡河小学校

デザインを起こす前に、まずは掲示場所を取り巻く環境のリサーチから。
デザインは用意された紙の中に絵を描く作業ではなく、周辺の環境を読み取ることが本当に大切。これはどのデザイン分野においても例外なくです。
実際に絵を描く作業よりも、むしろその作業のほうが時間かかると言っても過言ではないかと。

垂れ幕といえば風景や様相に大きく関わってくるもの。
(とは言うものの、地方の風景の中にはちゃちゃっと作った看板なり垂れ幕なりが溢れていて、それを味ということもできるのかもしれませんが、 昨今は本当に中途半端なものが多い。パソコンでつくるので書体そのものはそれなりに洗練されていたりするけれど、文字以外がどうにもこうにもおかしかったり、どこもかしこも同じような書体で没個性だったり…。この種の問題は制作側の意識もそうだが、そもそも地方で求められるものの多くがレディメイドの発想だったりすることにも起因するだろう。そこまで求められておらず、レディメイドだろうが、オーダーメイドであろうが、なんとなくそれっぽくなれば必要十分なのである。いくら制作側の意識が高くとも、100%の労力が求められて見積もられた仕事に対して制作サイドが身を削り、毎回300%の労力を注ぎ込み、それが100%であると思い込まれてしまうのも、300%であることを押し売りするのもきっと長続きはせず、お互いにいい関係性ではない。現実的には求められた100%に対して120%以上を目安にというところで落ち着いている。このあたりの問題はcottのAnnual Reportで改めて掘り下げる予定なのでひとまず置いておく。)
そんな風景の一部を担うデザインこそ、大切にしたくて、レディメイドをなんとなくうまく組み合わせてできた無国籍なものでなく、オーダーメイドの発想で「らしい」風景に寄与することを実践していたいものです。

そういうわけで、こういった対象物のアイデンティに関わるものは特に、文字をイチから起こしています。(諸条件が許せばですが。。)今回はあえてラフスケッチから起こした手描きの微妙な線の揺れや傾き、曲がりなどが醸し出すアナログ感をそのまま残し、親しみやすいように作ってみました。遠目で見てもわからないけれど、ちょっとした隠し味。
学校に必要な文字としてのバランスの良さ、視認性や可読性に配慮しつつも、オリジナリティを持ったものに。アクセントの緑の半円がシンボルツリーであるカイズカイブキや周囲の山とよくマッチしてくれたのではと。
淡河小学校外観
レタリング作業

昨今の業界のワークフローは基本的に最終のアウトプットがほぼ完全にデジタライズドされてしまったが、
人の頭が考える以上、ものの作られ方は基本的に手からはじまるのです。

「世界」は「各々の脳が認識するもの」であり、
「ものづくり」とはすなわち「人の頭で認識されるものをつくること」であって、世界の一部の装いをしつらえること。
われわれの頭の中で認識する世界には、完全な直線は存在していても、現実には存在しませんからね。画面上で作業を進めたとしても、プリントアウトして常に感覚に基づいて補正することは大切で、コンピューターで数値をそろえることにとらわれてはいけません。
…ちょっとウンチクっぽくなってしまいましたが、要するに、正確に「そう」であるよりも、「そういうふうに」見えることがだいじなわけです。(ただし、「そういうふうに見える」が大数の法則による平均をとれば「そう」に近似することもよくある。だからきっとグラフィックデザインには文系も理系も必要なのでしょうね。)

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